溺れる2 | ナノ

 





臨也の両脚を抱え上げ、自身をその後孔に押し当てる。先端を馴染ませるように少し腰を揺らすと、入り口はくちゅくちゅと音を立てながら静雄自身に吸い付いてきた。
ぐっと腰に力をこめて、少しずつ臨也の中に埋め込んでいく。ぎゅっと眉間に皺を寄せ、背中に爪を立てて痛みに耐える臨也は可愛い。ごくり、と喉を鳴らし、臨也に顔を寄せる。近づいてくる気配に臨也が目を開く。痛みで意識が少しはっきりとしてきたらしい。こっちを見る目の焦点がしっかりと合っているのを見て、ほっとする。臨也、と呼び掛けようとした時だ。素直に抱かれていた臨也の様子が、豹変した。

「いやっ、やだぁッ」

静雄の顔を押し退けて、逃げようとした腰を引き寄せて押さえる。最奥を突かれる衝撃に、臨也はかっ、と目を見開く。

「なんでっ…シズちゃんがッ……ぁあア、やめて、動かないでッ…」

静雄に抱かれていることが、ショックだったらしい。
ぼろぼろと泣きだしてしまった臨也に、静雄は唇を噛み締めた。そうだ、嫌われていることなど知っていたではないか。これ以上嫌われたとしても、今更関係ない。
痛む心を無視して、静雄は腰の動きを激しくし、臨也に抵抗する暇も与えない。

「あああ、ンぁ!…や、やめて、いや!やだぁああ」

背中に刻まれていく爪痕。
臨也は静雄を拒否しようと、背中に回していた腕で爪をたててくるが、それは男を煽る要素にしかならない。そんな痛みでは、静雄に何ら影響も与えないと知っているはずなのに、臨也は止めようとしなかった。

静雄がすべてを埋め終え、律動を始めるとシーツはぐちゃぐちゃに乱れる。
その上で臨也は苦しそうな顔をしていた。目元は朱に染まり、頬は既に垂れ始めた涙で濡れている。嫌だ嫌だと言っているのにその口元は軽く笑みを浮かべ、隠しようもない快楽に溺れている。
あぁ、レイプされちまった奴の表情みたいだな、と思ってから事実ではないかと気付いた。

「っ…くそ、気持ちいい」
「はぁ、んンっああぁッ、」

キスしてぇ。
臨也、俺の名を呼んでくれ。

彼はまた虚ろとした瞳に戻っていた。ぼんやりと天井を見つめ、更なる快楽を得ようと欲望のまま腰を揺らし始めた。慣れきった反応に静雄は眉間に皺を寄せる。彼の身体がこんなにも淫らなのは、正直気に入らない。だが、自我を忘れ素直に快楽を享受しようとする臨也は、心底可愛いと思った。

「ぁ、ぁん…ぅ、ひぃ…ン」
「もっと腰、高くしろ」
「あぁ!あぅッ」

静雄は一旦その動きをゆったりしたものにし、臨也の腰の位置を直す。一番自分の動きやすい体勢になり、細い腰を両手で掴み、己をもっと、もっと奥まで割り込ませようとぐいぐいと押し付ける。最奥まで突き入れた状態で、腰を回転させながら揺らめかせ始めると、臨也は堪らないというように頭を振り乱した。肌のぶつかる音、粘膜が擦れ立てられる水音。限界は近かった。

「……ぁ、しずちゃん、しず、ちゃんっ」

最早爪を立てる力も入らない腕は、自分の身体に縋り付いてくる。小さな身体全身を使って抱きついてくる臨也を、静雄は包み込むようにして抱きしめた。
臨也も快楽を得やすい位置に保とうと腰を高く上げ、静雄は抱きしめたまま頂点に登り詰めようと律動を早めた。
普段、自分と同等に渡る身体は、こんなにもか弱く、愛しい存在であっただろうか。
もう臨也に憎しみを抱くことができるか、と問われても、答えることが出来なくなりそうだと思った。
愛しさだけが募り、臨也を正面を向かせ、今度こそ唇にキスをする。薄いそれを挟んで舌で愛撫して、吸い付くと臨也も応えてくれる。気持ちいい。

「……ッ」
「ぁあ、あああ、…ゃっ!」

最後にどん、と激しい音がしそうな程、突き上げてから停止する。限界だ。
臨也の中に射精しながら、自分の腹筋にも滴ってくる精液の温かさを感じて、頬が緩む。
臨也が俺のことを嫌いだとしても、今はまだいい、と思った。
びくびくと射精される刺激と達した余韻で背筋を仰け反らせる臨也の中で、彼の内膜の蠕動が落ち着くのを、心地良い感覚で待った。

脱力した身体。
とろりと股の間から残滓を零しながら再び意識を失った臨也は、安堵した表情で寝ている。
その目元にキスを落としながら、誓った。



「(いつか、ぜってぇ惚れさせてやるからな)」


















王道の童貞×ビッチビチー!
楽しんで書きました、ビッチたんは一度痛い目見ればイイ!
この静雄はすごく溺愛してくれそうな感じですね。



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