キミのおこした奇跡side S


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夏合宿、始まる


最初の勉強合宿


芳賀の勉強合宿が始まった。
これで久しぶりに、静かな食事が出来る。
まぁ3日だけだけどな。
グラウンドから校舎を見上げる。
このクソ暑い中強制的に勉強させられてるなんて可哀想なことだ。
ほんっと、バカに生まれず良かった。


「「あ」」


部活後、部室に行く前にトイレに寄ろうと校舎に入ったら、やたらとふらふら歩く芳賀に会った。
…コイツ勉強嫌過ぎて脱走したんじゃねーだろうな。


「オメー補習は?」
「現在休憩中です」
「へー。脱走したのかと思った」
「あ、そうだ!工藤くんが教えてくれたところが出たよ!時間かかったけど全部解けた!」


たりめぇだ、バーロォ!
去年合宿に出た先輩からわざわざ去年のプリント借りて合宿で出そうなとこ予習させてたんだ。
俺の苦労の甲斐なく出来ねぇなんて言ったら、蹴り飛ばしてる。


「先生もね、これなら次の中間で挽回できるんじゃないかって言ってたよ!」
「で、気抜いてまた補習なんだろ?」
「…やっぱり?私もソレ思った…」
「オメーそういうこと多そうだもんなぁ…」
「…否定できません」


やっぱりなぁ…。
コイツすぐ調子乗りそーだもんなぁ…。
まぁそこらへんは俺も人のこと言えねぇけど。


「おーい!工藤ー!」
「今行くー!」
「あ、じゃあ私も時間だから行くね」
「…芳賀!」
「うん?」
「オメーは1箇所に集中しすぎて全体が見えてねぇんだよ。もっと全体を見てから問題解いていったら時間かかってもオメーならできる」
「…ありがと!工藤くんも部活頑張ってね!」
「おー」


振り返りチームメートと合流。


「オメーならできる!だってー!」


…言うんじゃなかったか…。


「工藤くんてばやっさしーんだから!」
「いいなー!俺もそんな包容力のある男になりたーい!」
「つーかその前に彼女ほしー!」
「アレでよければくれてやる」
「またまたー!そんな心にもないことをっ!」
「いや、マジでいらねぇ」
「なーにがいらねぇだ!工藤くんも部活頑張ってねー!とか言われてうっれしそーにしてたくせに!」
「…別にフツーだけど?」
「えー?工藤くん自覚ねぇの?もしかして」
「はあ?何が?つーかその顔マジでキモいぞ、オメー」
「悪かったな!元からだよっ!」


ニヤニヤ笑うチームメートにまたイライラしながら、家路についた。

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bkm

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