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今日は何の日


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『今日は何の日』


正月も三が日が過ぎ、だいぶ参拝客の姿もまばらになり始めた1月4日。


私は新一と二人で初詣に行き、その帰り道で尋ねていた。


「ねえ、新一……。今日、何の日か覚えてる?」

「ん? 今日って1月4日か? ……何かあったっけ?」

「え……、あ、ううん……。な、何でもないの……」


ぎこちない笑顔で返しながら、つい俯いてしまう。いつもいつも忙しいからとか、今回はたまたま忘れていただけなのよとか、自分に言い聴かせながら、本当の事は告げられず。


しかし次の瞬間、隣から盛大な溜め息が聴こえてきたかと思えば、何かが頭の上に乗せられる感覚がした。


「……バーロォ、そんなの嘘に決まってるだろ? 早く受け取れよ」

「……え?」


受け取るって何を?


逸る気持ちを抑えながら、自分の頭上に手を遣る。


まず最初に感じたのは私の手よりも一回り大きな新一の手。


その新一の手は私の頭を直接触れているのではなく、何か固いものを支えるべく添えてあるようだった。


そしてその固いものに触れた。それを確認したのか、新一の手は私の頭から離れていく。


その固いものを確認するべく、頭から降ろし目の前まで持って来た。


「……これ……」


白い箱にピンク色のリボンが結ばれた、小さな箱。


「一年に一度しかない、大切な日……。忘れる訳ねーだろ?」


嬉しさについ顔が綻ぶのが分かる。


「誕生日、おめでとう」



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bkm

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