目をつけられてしまいました
『……………』
さて、どうしよう。
『…………』
汗がだらだらと背中を伝う。そして冷や汗も止まらない。
『(うわああああ…!)』
結果的には、間に合わなかった。無遅刻無欠席でいこうと決めた目標はあっさりと崩れた。そしていないことを願っていた風紀委員がいた。うっわコレ死亡フラグだろ確実に。でも"奴"がいないことが不幸中の幸いだ。
『よし、サボろう』
こーゆー時は逃げるが勝ちだ。
だってさ、遅刻者がいないか目を光らせているリーゼント集団もとい風紀委員の中に入れる?入れないでしょ!怖いんだよ、恐ろしいんだよ!!
そうと決まれば即行動。あたしは身体を回れ右させた。が、
「どこいくの?」
見 つ か っ た 。
「サボり、なんて言わないよね」
『………』
まさにその通りです、なんて言えるはずもなく。
『そ、そんなワケな…「でも君、遅刻だよ」ゔっ』
「遅刻者は全員…咬み殺す」
刹那、あたしの真横の壁にトンファーが突き刺さる。ツゥー…と頬から血の伝う感覚。
『………』
今のは完全に殺るつもりだった。避けていなきゃ完全に顔面にトンファーが食い込んでいただろう、危なかった。
「へぇ…これを避けるんだ」
楽しそうに言う男。この男こそがあたしが最も現れてほしくなかった人物である。
雲雀恭弥。
並盛中風紀委員委員長にして最強最恐最凶の男。
『いやさすがに避けるだろ危ないし痛いし』
「君、強いね」
『今のどこを見てそうなった』
「君なら僕を楽しませてくれそうだ」
『ちょ、あの、話きいてます?』
「今の僕は機嫌がいいんだ、通っていいよ」
『マジか。あざーす』
とりあえずまぁよかったのかな。
((ガラッ)すんません遅れましたー)
(遅いぞ日比野ー)
(いやー風紀委員委員長に絡まれまして)
(そ、そうか…なら座っていいぞ…)
(言い訳ができてよかった)
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