短編 | ナノ


4月。
この青葉城西高校に入学したのはもう2年前なんだと思うと、なんか懐かしくなる。

あたし達は、3年生になった。


『いえーい!花と同じクラスー!』

「マジ!?いえーい!」

『やっと及川と同じクラス地獄から離れられたわー!』

「今回の被害者は俺かよ…」

「ねえ被害者ってなに!?やめてそんなこと言わないで!及川さん悲しくなる!」

「くっそ…せめて岩泉がいてくれたら…」

「残念だったな松川」

「ドンマイ松」

『休み時間は遊びにおいで、松』

「おう…みんなありがとな…」

「及川さんへの扱い!」


ギャーギャーとクラス替え表の前で騒いでいるあたし達。他の人の邪魔かと思ったけど、みんなクラス替え<<<<<<<<<及川だからそんなに邪魔ではないようだ。及川が写真撮影してる間に教室行こうぜーってなって置いていった。「え!?ちょ、置いてかないで!?」なんて聞こえてきたけどシリマセーン。



***



教科書配布や、明日の入学式の説明的なのをされて今日はおしまい!
日直の人が「きりーつ、きをつけー、れーい。さよーならー」とお決まりの挨拶をして、放課となった。
みんな、「遊びいこーぜー」「どっか食いいこー」などと話してるなか、あたしと花は体育館に向かっていた。


「お、風香!俺ら一番乗りだぜ」

『やりー!』

「早く着替えてこいよ!んでボール上げてくれ!」

『え、めんど』

「そんなこと言うなよ〜。俺らの仲だろ〜?」

『しょうがないね!あたし優しいから!!』

「ワーイサスガ風香サマー」

『棒読みやめてくんない!?』


そんなやりとりをしながら、着替えをすませボール出しをする。
いつも騒がしいやつがいるからか、二人でいる体育館は少し寂しく感じた。まあ、楽しかったからいいんだけれど。


「あーー!マッキーずるい!!」

「ゲッ 及川もう来たのかよ」

「マッキー ゲッて何さゲッて」

「風香〜…癒して…及川と同じクラス疲れる…」

『松どったの?ちょ、重い重い重い重い!』


次に体育館に来たのは及川と松だった。
及川は花に詰め寄りギャーギャーと騒いでいる。花は心底面倒臭そうに顔を歪めている。どんまい花。
松はフラフラーっとあたしのところに来たかと思えばそのままぽすっと肩に顔をうずくめた。体重をかけてくるもんだから重くて仕方ない。


「癒しを!癒しをくれ!!」

『松アンタ力強いんだよ!いだだだだ!!』

「まっつんなに面白そうなことやってんのー!」

「あ、及川も混ざった。……シュールだ」

「……なにやってんだ」

『岩泉!ヘルペス!ヘルペスミー!』

「ヘルプミーな。……風香どこだ?」

『ここォォォ!!』


ようやく来た岩泉。そしてあたしの声が聞こえてびっくりしていた。まさか男二人(巨人)にはさまれているとは思っていなかっただろう。


「及川と松川が抱き合ってんのかと思った」

「ぶっふぅwww」

『www』

「岩ちゃん!?なにその発想!?」

「やめろよ岩泉www」

「いやいや…この角度からじゃそう見えるって」


なにそれ超見たい。まあ見れないんですけどね!!


「俺は宣言するよ!今年こそ打倒ウシワカ!!」

『こんなとこで大声で宣言するなよ!耳痛いんだけど!』

「及川ツバ飛ばすなよ!」

「松被害者www」

「どんまい松川」

『だから重いって!暑いって!』


「今年は国見ちゃんと金田一も入るわけだし!俺達の代だし!新生 青葉城西バレー部だし!」

「打倒ウシワカな」

「なんで俺のセリフ奪うかな岩ちゃん!」


『打倒ウシワカ〜!』


「「「おーー!!」」」


「あれ及川さんだけ蚊帳の外!?」





目標は大きく高く
(今年は。今年こそは)
(ウシワカに勝って、全国に行って)
(このチームで最高の思い出を作りたい)


―――――――――――――――――――

青城三年かっこいいですよね!阿吽も花松コンビも好きです!
クラスはファンブックが発売される前に書いてたので適当です。すみません…。

prev next