短編 | ナノ


※「ww」などの表記があります。苦手な方はご注意を。











「なぁなぁ風香!」

『なんですか木兎さん』

「トス!上げてくれ!スパイク打ちたい!!」

『お断りします』

「なんで!?」


ゲーン!という効果音をわざわざ口に出す我らが主将 木兎光太郎。
なぜトスを上げないのかと耳元で騒がれる。うるさい。騒がしいなチクショウ。


『面倒くさいから』

「そーやってさ!トス上げてくれよ!なあ!」

『そんなの赤葦に頼めばいいじゃないですか。ていうか、あたしマネージャーなんですけど』

「赤葦には頼んだ!けど断られた!だから風香に頼みにきた!」

『だからあたしマネージャーなんですけど』


早く早く!とボールを持って急かしてくる。いや…断ってるじゃないですか。なんでやること確定してんの。てゆーかマネだって言ってんじゃん。


「マネとかそんなんカンケーねーよ!俺が打ちたい!風香はトス上げたい!問題なし!」

『いや問題大ありですけど』


そもそもトス上げたいなんて言ってないし。てか上げる気ないし。疲れたし。外真っ暗だし。自主錬やるぞー!!とか言って軽く一時間は経ってるし。赤葦とか他の先輩達は部室から出てこないし(巻き込まれないように逃げたのだと思われる)。


「風香は俺にトス上げるの、いや?」

『…別にいやじゃないです、ケド』

「なら問題ないな!」

『だからあたしマネなんですけど!?』

「だって風香中学の時女バレだったじゃん!セッターだったじゃん!問題ない!のーぷろぐれむ!」


グッと親指を立てて言う木兎さんだが、全然問題あるし、ノープロブレムの発音悪すぎるし。


「風香〜。なぁ、風香〜」

『……一回だけですよ』

「マジで!?やってくれんの!?」

『一回だけですからね!調子に乗らないで下さいね!?』

「風香がトス上げてくれる!あかーしに自慢しよ!もしもしあかーし!?風香がトス上げてくれる!」

〈…は?あの風香が?〉


あの風香ってなに!?あたし赤葦からどんな目で見られてんの!?


〈風香がトス?寝言は寝てから言ってください〉

「寝たら寝言言えないじゃん!」

〈てゆーか、俺今家なんですけどなんで電話してきたんですか?まだ体育館なんですか?〉

『は!?赤葦帰ったの!?』

〈当たり前でしょ…。練習終わってからもう二時間以上は経ってるよ〉

『なんで帰ったの!教えてよ!』

〈だって風香が木兎さんとイイカンジダッタカラサー〉

『ウソくさ!絶対面倒くさかっただけでしょ!巻き込まれないよーに逃げただけでしょ!それから後ろで笑ってる木葉さん達!声聞こえてますから!』


電話ごしに聞こえてくる上級生の笑い声〈風香マジで木兎に付き合ってたのかww〉〈笑いwwおさまんねぇww〉〈wwwwww〉ホントいつか覚えてろよ。
そして携帯を取られてイジイジしてる木兎さんにあたしは言った。


『…スパイク、打ちたいんでしょ』

「!! 打ちたい!」

『じゃあいきますよ!』

「オウ!もう100本こーい!」

『!?』

「どーした風香?元気ねーな?」

『一本だけって言ったじゃないですかーーー!!』





日本語でお願いします
(おはよ風香)
(あかーし…おはよ…)
(疲れてるね…昨日の木兎さんが原因?)
(当たり前でしょ…みんな逃げやがって…)
(ゴメンゴメン)
(結局50本くらいは上げたよ…んで腕痛くなってきたから『木兎さんは日本語が通じないんですか!?』って言ったら「え!?俺って日本語通じなかったの!?じゃあ俺が喋ってるのは外国語!?英語!?」って騒ぎ出してうるさかった…)
(…お疲れ)


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というわけで梟谷です!いわずもがな私は木兎さんと赤葦さんが好きです!
梟谷かわいすぎます。しょぼくれモードVer.も書いてみたいです。


title:biondino

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