短編 | ナノ


初めに言っておこう。あたし、日比野風香と彼女、木虎藍は仲が悪い。もの凄く。



***



「ちょっと風香そこどいてくれる?邪魔」

『は?木虎が動けばいいでしょ?あんたの方が邪魔だから』

「私はそこを通りたいの。邪魔」

『あんた邪魔しか言えないの?バカなの?』


本部の廊下で太刀川さんと出水先輩と話してたら木虎に声をかけられた。邪魔?は、テメーの方が邪魔だよ。
太刀川さんも出水先輩もオロオロしてるけどそんなの知らない。


「バカですって?貴女に言われる筋合いはないわ」

『は?あたしのどこがバカだっていうの?頭はあんたよりいいけど?』

「〜〜っ!ぜ、全国模試で一位になったからって調子に乗らないでよね!」

『調子になんて乗ってないけど?』

「乗ってるわよ!」


キャンキャンと喚く木虎は正直うるさい。


「もういいわ。貴女と話してたらバカがうつる」

『だったらさっさとどっか行けばいいでしょ』

「言われなくてもそうするわよ!」


ふん!と言って木虎は去って行った。
うん、うるさいのがいなくなって清々した。



***



『あ、とりまるさん』

「風香か。木虎とは相変わらずのようだな」

『…その名前を出さないでください』

「悪い悪い」


そう言ってとりまるさんはあたしの頭をポンポンとなでてくれた。あー、やっぱとりまるさんの手好きだわー。



「あ!烏丸先輩!本部に来てるなんて珍し――げっ」



木虎が走ってきた。大方、大好きなとりまるさんがいたからだろう。そして木虎からはあたしのことは死角になっていて見えなかったらしい。
そして木虎の表情はみるみる変わっていく。ああなるほど、あたしがとりまるさんに頭をなでられているからか。


「なっ…なっ…なっ…!!」

「? どうした、木虎」

「あ、あた…あたま…」

「頭?俺の頭に何かついてるか?」

「ちが…風香の頭に…頭に…!」

「ああ、これか」


そう言ってとりまるさんは再度頭をなでた。


「なでやすい場所にあるからつい」

「!?」

『とりまるさんの手きもちー』

「!?!?」


木虎はわなわなと震え、涙目になり、叫んだ。



「勝負よ風香!ブースに入りなさい!!」





仲がいいんだか悪いんだか
(めんどい)
(そうやって逃げるの?A級1位のくせに?)
((イラッ)太刀川隊バカにしないでくれる?あんたなんて瞬殺してあげるから)
(上等よ!)
(とりまるさん頭もっかいなでてー)
(おう。いってこい)
(殺すぅぅぅぅ!!)
(仮想戦闘モードだから死なないぞ、木虎)





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太刀川隊の攻撃手
トリガーは弧月
木虎とは仲が悪い
木虎と同い年
人望はわりかしある


風香と仲が悪い木虎のお話とか面白そうだなーと思って書いたやつです。太刀川さんと出水が空気。名前だけの登場でした。話がよくまとまらないです。
ちなみに管理人は木虎ちゃん好きです。なので風香と仲が悪かったらと思い書いたif話です。
反省はしていません!!

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