短編 | ナノ


一応これの続編的な。





「お願いします、風香さん」

『……』

「頼れるのはあなたしかいないんです」

『……』

「あなたじゃないとダメなんです」

『……』

「お願いします」

『……』

「バスケ部のマネージャーをやってください」

『……』

「無言ってことはいいんですか?OKでいいんですか?」

『よくないわドアホ!やりたくないから無視してたの!だからさっさとその入部届けをしまいなさいテツヤ』


テツヤはあの日以来、あたしをバスケ部のマネージャーに誘ってくる。やらないっつってんのにしつこいなテツヤは。


「どうしてやってくれないんですか」

『ちょ、そんな捨てられた子犬みたいな目しないでくれる!?あたしが悪者みたいじゃん!!』

「だって風香さんがマネージャーやってくれないから…」

『だーかーらー!やらないってば!お願いだからあたしの話少しは聞こう!?』

「イヤです」

『即答!?』


即答しやがったよこの子!少しくらい考えてよ!!

そんな時、1-Bの扉が開いた。開けたのは火神だったようだ。


「オイ黒子、次移動教室…お前らまた夫婦漫才してんのか」

『いや夫婦漫才してないし』

「そもそも僕ら付き合ってないんで。火神くんはバカなんですか?」

「!? なんでいきなりそんな辛辣なんだよ!」

「風香さんがマネージャーやってくれないからです」

「…………」

『火神何その目!やらないからね!あたしマネージャーなんて絶対やらないから!!』

「…いつまでその気持ちが続くのか見物ですね」

『なんかテツヤ恐いんだけど!?』


中学時代より黒くなってんだけど!どーいうことだ!なにがあった!?


「それじゃあ僕次移動教室なんで行きますね。いい返事待ってます。あ、今日一日覚悟しててくださいね」

『だからやらないって!てかなに!?今の不吉な言葉!!』

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