銀時と池田屋で再会した時、ホントはちょっと涙が出そうになったんだ。
憎まれ口を叩いたのも、涙が出そうなのを隠すための演技。

会いたいと願っていた奴が目の前にいる。

どんなに嬉しかったか。
どんなに喜んだか。
銀時にはわかんないだろうけど。


そりゃビックリもするさ。
どれだけ捜しても見つからなかった奴が江戸にいたんだから。一緒の町に住んでいたんだから。

嬉しかったなぁ。

でも同時に悔しいって思った。
だって銀時の隣にはもう既に新八と神楽せんきゃくがいたんだから。

そこはあたしの場所だったのに、って思った。
みっともないけど、思った。


もう銀時の隣そこにはあたしの場所はないのに。
もう銀時の隣そこには新八と神楽がいるのに。


未練がましく、『そこにあたしの場所はありますか』なんて思っちゃったんだ。


バカだよねぇ。
でもね。

たとえ銀時の隣にいられなくなっても、

たとえ銀時の傍にいられなくなっても、

たとえ銀時と一緒にいられなくなっても、

銀時と江戸で再会できてよかったって思ってるよ。


また会えたことに、感謝してるんだ。






          

(たとえ銀時の傍にいられなくたって)
(あたしはアンタの、右腕だから)


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