今日は2月3日……そう、節分だ。
そして俺、土方十四郎はある人物から逃げている。それは……。


『死ね土方ァァァ!!』


そう、風香からだ。
風香は大量の豆をさっきから俺に投げてくる。節分だからしょうがない、なんて言葉は通用しない。だって風香が投げた豆は光の速さで俺の所な向かってくるのだから。そして床に当たった豆は無残にも姿を消していく。


「(あっ…あっぶねェェ!!)」


ヒュン、と俺の頬をかすった豆。頬から流れる血。

……アイツどんな勢いで投げてんだァァァ!
殺人級だぞ!あぶねぇぞ!!


『よけんな土方ァァァ!』

「無茶言うな!そして呼び捨てヤメロ!」

『やめないよ!そして豆投げんのもやめない!なんたって今日は節分だからね!』

「どんな理由だァァ!!」

『鬼はー、外ォォォォ!!!』



ドゴォォン!!



「あ゙あ゙あ゙あ゙!俺の部屋ァァ!!」

『あっ いっけね。間違えちったてへぺろ』

「それ言っただけで俺の部屋を破壊した罪が消えると思うなよ!?」

『だーいじょーぶ。今度はちゃんと土方さんを狙うから』

「全然大丈夫じゃねェんだけど!」


てゆーか豆投げただけで部屋破壊とかマジ笑えねェんだけど!ホントどんだけ勢いつけてんだ!?

そう、俺は油断していた。敵は風香一人だけだと。いつもの俺ならそれがおかしいと気づいていたはずなのに。
いつの間にか、背後には総悟がいて。総悟と風香はバズーカを持っていて。


「ひっかかりやしたね、土方さん」

「そっ 総悟ォォ!?」

『それじゃ、』


『「グッバイ土方」』



ズドォォォン!!!



この日、屯所から騒ぎの声が消えることはなかった。



「ぎゃあああああああ!!」






(そのあとはみんなで)
(仲良く豆を食べました)


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