試験?本気でやらなきゃダメですか
それは、自己紹介も終わったある日の出来事。
「風香さん、失礼します」
ガラッと襖が開いた。その先には礼儀正しそうな女の子がいた。何だこの娘、かわいい。
「お初にお目にかかります。私、雪村千鶴と言います」
『千鶴、ちゃん』
あたしはキラキラと目を輝かせる。
『っかわいい!!』
ガバッと抱きついた。
「えっ!?あの…!?」
何だこの娘はマジかわいい天使だよ天使名前までかわいい羨ましいかわいい。
「おい。いい加減にしやがれ」
上から刀がふってきた。きゃあ恐い。
『嫌だな、土方さん。そんな怒ることないでしょ?刀なんか持ってさ。危ないですよ?そして隠れてる奴らも早く出てきなよ』
なんだバレてたのか、と物陰から出てくる人達は予想していた人達だった。バレバレですよ。
『…で?朝っぱらから何の用ですか?』
「実はだな、」
ふむふむ。
話をきいて数分。あたしはようやく状況を理解した。
『つまりアレだ、新選組隊士は幹部でもないあたしが憧れの幹部サマと仲良くしているのが気にくわなくて屯所から出ていってもらいたいと』
「……まぁ、そういうことに…なるな」
『成程』
何だそれだけか。それだけのために皆さんあたしの部屋に来てくれたの?きゃあ、あたしってばモテモテ☆…………あ、嘘です嘘です。引かないでキモいってことはやってる本人が一番わかってるから!
「それで、なんだけど」
『うん?』
何だろう、いい予感が全くしないぞ?むしろ嫌な予感しかしないぞ?アレおかしいな。
ニコニコ笑う沖田さん。うん、本気で嫌な予感しかしない。ちなみに本気と書いてマジと読む。
「僕と、勝負してほしいんだ」
ジ エンド オブ 自分。
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