銀色桜 | ナノ

誰か助けてヘルプスミー


『ん…う』


足が痛い。それに息苦しい。あまりいい目覚めとは言えないが、目が覚めた。そして気づく。


『ん…んんんんん!?(な…なんじゃこりゃ!?)』


両手が後ろに拘束されており、猿轡まで噛まされている。なんだこれ外れないぞチクショウ。いつもならこんな縄くらい少し関節外せばすぐとれるのに。なんてこったい。


『………』


気絶してる間に殺さないってことは敵ではないのか?……いや違うな、情報を聞き出すつもりか。または仲間を助けろということなのか。
考えていると、ガラッと襖が開いた。どうやら襖を開けたのは目の前にいる優しそうなおじさんらしい。


「ん?おや、目が覚めたのかい」

『っ!』


やっべ、拘束とるのに必死で気配を感じられなかった。
殺されるんじゃね?あたしここで殺されるんじゃね?
だが予想はいい方に外れてくれたようで。


「すまんなぁ、こんな扱いで」

『んう?』


殺されない?それどころか、おじさんは縄を緩めてくれているぞ。なんて優しいんだ。


「ああ、総司の奴こんなにきつくしばって……痛かっただろう」

『(コクリ)』


両手は前で拘束され猿轡を外される。おじさんは自分についてくるように言った。


『ぷはっ!…あの、ありがとうございます』

「いや、お礼なんていいんだよ」


おじさんは井上源三郎さんというらしい。通称源さん。
大広間というところにつくまで源さんと軽い世間話をした。


「ここが大広間だ。さ、入んなさい」

『ウィー』



ガラッ



襖を開けた瞬間、殺気があたしに向かってくる。刺すような殺気が痛いぜ。そしてその中には……。


『ゲッ』


昨日の茶髪ヤローと黒髪ポニテがいた。

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