あたしと白髪と狂ったアイツ
『いってぇぇ…』
バズーカと爆弾の二つの爆風に飛ばされたあたし。周りを見渡すと…誰もいない。
『あれ?』
おかしーな、なんで?さっきまであんな明るく……暗い?え、ウソなんで!?
昼だったじゃん!明るかったじゃん!なのになんで夜なの!?なんで暗いの!?
『とりあえず人捜すか…』
よっこらせ、と乙女らしくない声を出して立ち上がる。が、足が痛い。まさか捻った?さっきの爆風で?最悪じゃん。
「――け…っ」
『人の…声?』
かすかだが確かに声がきこえた。あたしは痛い足をひきずるようにして声のする方向へ進む。
「助け…!殺さな、グハァ!」
「血ィ…血だァ…血を寄越せェ」
建物の隙間から様子をうかがう。なんだコレ。
人の血を……すすってる?
気分悪い。見殺しにして悪いと思うが、今の状態で勝てる程余裕はないんだ。だけど悪運はここまでのようで。
パキッ
落ちていた木の枝をうっかり踏んでしまった。
え、ちょ、見てるんですけど。バッチリ見られてるんですけど。あ、目合った。
『落ち着けあたし。考えろ。今すべき事は何だ?戦う?冗談よせよ、バーロー。そう、今すべき事はたった一つ』
逃げろォォォォォ!!
あたしは走った。
だが痛めている足では普通より限界が早くやってきてしまって。すぐに追いつかれてしまった。
つーかコイツらよく見ると……。
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