銀色桜 | ナノ

自己紹介とは危険なものである、たぶん


「俺は局長の近藤勇だ」

『!?』


あたしは驚愕した。なぜなら近藤と名乗った男が……ゴリラじゃないからだ。いやもうマジびびった。てゆーかアレだね、真選組(ウチ)の局長よりイケメン。


「総長の山南敬助です」

『(ごくり)』


メガネをキラリと光らせる山南さん。この人はアレだね、怒らせちゃダメな人だ。怒らせたら最後、地獄のような説教が始まるに違いない。


「さっきも紹介したが…副長の土方歳三だ」

『………』


黒髪ポニテの土方さんはアレだ、真選組(ウチ)の土方さんと同じ苦労人なんだろうなと思う。何か…顔が物語っているようないないような。


「僕は新選組一番組組長 沖田総司。少しでも妙なことしたら……斬っちゃうから」

『(わー、こわいなー)』


沖田さんは間違いなく戦闘狂だ。だってすぐ刀に手かけるし斬るなんて言うし。


「……三番組組長 斎藤一」

『…っ!』


か…かわいい!首に巻いてある襟巻きみたいなのもかわいいけどなんか存在がかわいい。癒される。ギューッてしたい。


「俺は八番組組長 藤堂平助!よろしくな!」

『よろしく、わんころ』

「あれ、俺平助っていったよな?」


コイツはアレだ、犬だ。犬にしか見えない。だって尻尾が見える(ような気がする)もん。


「十番組組長 原田左之助だ。よろしくな、風香」

『!!』


イケメンだ!は…肌が見えます…!筋肉質の肌が…!!


「二番組組長 永倉新八だ。これからよろしく頼むな!」

『しっ…新八だとォォォォォォ!?』


大声をあげると土方さんに「うるせェェェ!!」と頭を殴られた。痛い。暴力反対だ。しかし今はそれどころではない。


『え、ちょ、嘘だろオイ。騙そうったってそうはいかねーぞ。だって新八だよ?メガネでアイドルオタクでお通大好きでシスコンでツッコミしか取り柄のない、あの新八だよ?ナイナイナイナイ有り得ない』


「(なあ土方さん、風香どうしたんだ?)」

「(知らねぇよ。関わらない方が身のためだろ、ほっとけ)」


『永倉さん!』

「はい!?」

『筋肉、カッコいいですね!!』


グッと親指を立てると「ありがとな!」と親指をグッと立ててくれた。この爽やかな笑顔…ダメガネ新八には真似できないな、絶対。

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