三馬鹿と遭遇
太刀川さんにランク戦を強制され戦っていたら忍田さんに見つかりお説教を食らってから早数時間。やることないなーと本部内をぶらぶら歩いていたら、前から三馬鹿が歩いてきた。言わずもがな出水、米屋、駿である。
「おっ 風香さんじゃーん!」
「師匠!」
「え、風香さん!?風香さん、俺とランク戦しよ!」
『ハロー三馬鹿。出水、あたしはあんたの師匠じゃないって何回言えばわかるのかな?』
「いや、風香さんは俺の師匠ですって」
「ねー、ランク戦しよーよー!」
『師匠じゃない。それからランク戦はついさっき太刀川さんとやってごっそりポイント持ってかれたあげく忍田さんに怒られたから却下』
え〜〜、と駿からブーイングを受けたが無視する。それでもランク戦!ランク戦!と叫ぶ駿はまさしく犬のようだ。
『断固拒否する』
「大人げねーぞ、風香さん」
「そーだぞ、師匠」
『お黙り米屋。あとテメーもだ出水』
「ねえちょっと風香さん最近俺の扱い雑じゃない?」
『そんなことないよ。あと駿がうるさいんですけどどうにかしてくれませんか保護者二名』
「風香さん!ねぇランク戦!ランク戦しよー!ランク戦!ランク戦!!」
「人生諦めが肝心だよ、風香さん」
『ニヤニヤすんなテメーコノヤロー』
さあやろうランク戦!とキラキラした目で見てくる駿と、ニヤニヤしているバカ二人。
『あのねぇ…あたし忍田さんに怒られたばっかって言ったじゃん。今日はランク戦禁止って言われてんの。だから無理なの。OK?』
「「「のー!」」」
『発音悪っ!!』
なんでコイツら引き下がらないの!?前に進もうとしても「ここは通さないよ風香さん!」とか言って三人で通せんぼしてるし…。もうやだこの三人の相手すんの疲れる!
『〜っ ああもうわかったよ上等だ!三人まとめてかかってき「…風香?」Σ し…忍田…さん』
背後から 冷たい 空気を 感じた。
風香 は 背筋が 凍った。
風香 は 20ダメージ を 受けた。
「今日はもうランク戦禁止と伝えたはずだが?」
『ちっ 違うんだよ忍田さん!あたしは断ったんだよ!でも三馬鹿がしつこくて…』
「………」
『うわあああごめんなさいごめんなさい!だからその顔やめて!怖い!忍田さんその顔怖い!!』
本部では、忍田さんに平謝りしてるあたしの声が響いていたとかいなかったとか。そんな噂を聞いたような聞いていないような。
……全部三馬鹿のせいだこのヤローーー!!!
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