ランク戦orレポートorランク戦





玉狛の人間だが、自分専用のトリガーじゃないあたしはよく本部でランク戦をする。よくやるのは太刀川さん、風間さん、出水、米屋ってとこかな。たまに緑川とか。
本部のラウンジに来ていたあたしは誰と対戦しようかと考える。中高生はまだ学校だろうしなぁ…どうしよう…。


「風香!」

『? あ、太刀川さん』

「レポート手伝『イヤです』最後まで言わせろよ!」


レポート手伝って!と言おうとしていたであろう言葉を遮る。まあ薄々感づいてはいたし、この人があたしに話しかけるってことはランク戦したい時か課題を手伝ってほしい時なのだ。相変わらずのクズ人間である。こんななのに戦いでは一回も勝てないとか悔しすぎる。


「そんなこと言わずにさ!な?頼むよ!」

『イヤなものはイヤ』

「俺単位ヤバいんだって!」

『そんなの知らないもん』

「頼むって!」

『大体年下に頼むってなんですか。恥ずかしくないんですか』

「全く!」

『少しは恥じらいを見せろよ』


キリッと真顔で言いやがった。


「忍田さんに殺されちまうよ!」

『そしたらあたしソロで一位になれるかな!』

「なんで急に生き生きした!?」

『ソロで一位になれるかな!』

「風間さんいるし無理だよ──じゃなくて!俺の心配しろよ!」

『なんで太刀川さんの心配しなくちゃいけないの?』

「そこで真顔!?」


ガーン!と効果音をわざわざくちで言う太刀川さん。なんだよかまってちゃんか。


「俺は模擬戦がしたい!ランク戦がしたい!でも忍田さんが課題終わるまでダメだって言うから!」

『当たり前だよ!大体太刀川さんは課題に時間を当てなきゃいけないところでランク戦するから終わらないんです!』

「だってランク戦したくなるんだよ!」

『わかるけど!その気持ちはわかるけど、ちゃんと勉強しなきゃダメです!』

「ほら、防衛任務とかもあるし!」

『それはみんな同じだっつーの!』


あたしの言葉に太刀川さんはうっと言葉を詰まらせる。それでもだってだって…と続ける太刀川さんに軽く怒りを覚える。アンタもう20歳だろーが。


「勉強なんてクソくらえなんだよ!レポートとか面倒なんだよ!なんでみんな真面目に取り組めるんだよよ!!」

『叫ぶなよ忍田さん来るよ』

「…………」


マジで黙ったよ忍田さん効果ハンパねェな。


「ランク戦してぇわ。風香やろうぜ」

『いやレポートやれよ!』


その後、忍田さんが来るまでランク戦をさせられていたのでした。





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