痣フェチ×不良 おまけ


「暇だな……」

田部は読んでいた漫画を放り投げ、ベッドに倒れこみながらぽつりと呟いた。どうしてこうも日曜の午後というのは退屈なのだろうか。ごろごろと転がりながら徒に時間を過ごしていると、田部は唐突に閃いた。

「そういや、真崎はなんかいろいろゲーム持ってやがったな」

先日のオカズ事件で一度は気まずくなってしまったものの、必死に謝ってくる真崎に田部が折れる形で、二人の仲は一応修復されている。その際、二度とそういうことが起こらないようにといろいろ話し合った結果、真崎が意外にもゲーマーだとことが判明したのだ。田部は真崎からゲームを借りることを決意し、奴の部屋へ行くため重い体をゆっくりと起こした。

真崎の部屋の前に立ち、田部はノックすることなく勢いよく扉を開ける。

「おい、真崎。なんかゲームか、せ…よ」

扉を開けた瞬間、田部はあまりの衝撃に開いた口が塞がらなかった。呆然と立ちすくんでいると、熱を孕んだ目と視線がかち合う。

「っはぁ、あれ田部、どうかした?」
「どうかしたって、お前……。なに、してんだよ」

田部の視線は自然と足元の方へと向かっていく。これでもかというほどに床に広げられた痣の写真たち、とそれに埋もれるように転がっている真崎の姿。日常ではなかなか遭遇することのない光景に、田部はただただ言葉が出てこない。

「何って、俺のコレクションたち鑑賞会?いやあ、もうたまんないよね。これとかさあ、すっごくいい形してると思わない?んで、こっちはいい色。それからこっちのは、」
「いや、それ以上は言わなくていいから」

鼻息荒く痣についての講評を始める真崎をくい気味で遮ると、真崎は一瞬残念そうな顔を見せるものの、「あっそう」とあっさりコレクション鑑賞に戻ってしまう。それを見ながら田部が「はあ、お前は痣なら何でもいいのな」とこぼすと、凄まじい勢いと気迫で真崎がこちらを見上げてきた。



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