ソーセージの逆襲
俺には一つだけ悩みがある。
誰にも言えない、たった一つの悩みが。
もしこの悩みを誰かに打ち明けてしまったら……
恐らく可哀想なものを見る目でそっと病室という名の真っ白な監獄に収容されてしまうのだろう。
俺は、手の中でふるふると震えているピンク色をした肉棒にそっと視線を送った。
「ああ!…ンぅ、っあァ、…………ヤぁ。ダメっ、そ……なトコッ舐めちゃ……っ!」
「…………」
「ダメ!……ッちゃ、イっちゃうよぉおお…………ッ!」
「……」
「……」
「……」
「……」
「…………満足、しました、か」
喘ぎが静まり、なんともいえない沈黙が訪れる。それに耐えきれなくて、俺はピンクの物体、ソーセージに恐る恐る声をかけた。
「…………」
が、返事が返ってこない。うんともすんとも言わないソーセージ……。いや本来は返事を返すようなものじゃないんだけども。
満足してくれたのだろうか。それならば、この意味のわからない状況からもう解放してほしい。
そんな意図を込めて、俺はもう一度口を開いた。
「あのs「アア″アァァァ………そ、ンなァ……!ッイったばっか、なの……にィッ……」
どうやらまだ満足していなかったらしい。態とらしい喘ぎが頭の中に直接響いてくる。妙に甘ったるい嬌声にくらりと目眩がした。
どうしてこうなってしまったのだろう……。
ついこの間まではこんなこと、ソーセージが喘ぎ声を上げるなんて状況、ありえなかったのに。
俺の頭は、本当に可笑しくなってしまったのだろうか。
「自業自得」
いつの間に喘ぎを止めていたのか。
ソーセージの静かでどこまでも冷徹な声が、体の中で反響して波紋のように広がっていく。
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