丸井ブン太の場合


開いた足の間に腰を下ろし、背中をブン太に預けるかたちで赤也はゲームに夢中になっていた。

「なぁ、赤也」
「んー…?」
「俺、暇なんだけど」
「んー…」

全ての意識がゲームへと注がれている赤也の腰に片手を回し、もう片方の手で彼の髪を弄る。そして、顔を肩口に埋めてみるが赤也は何の反応も見せない。
普段なら顔を赤くして「や、やめてくださいよ!」なんてブン太を跳ね除けるのだが、今日は何されてもお構いなしのようだ。
あまりにも相手にされないブン太は面白くないようでむっと唇を結び、はじめの頃読んでいた漫画もベッドへと投げ出してしまった。

「赤也ぁ…」

耳元に唇を寄せて吐息交じりに名を呼んでも、邪魔するなと言わんばかりに手で顔を払われる。どうにかしてこのゲーム廃の気をこっちへと向けてやりたい。そんな事を考えて密かに意気込むブン太は手を赤也のTシャツの中へと忍ばせた。

「せんぱい、くすぐったい…」
「赤也のグランドライン突入だぜぃ」
「アンタ、潰すよ」

先程まで読んでいた漫画に出てくる場所の名前を赤也の身体の部分に例えて、彼の胸の突起を指で掠めればキッと睨まれる。

「俺は俺で楽しんでるからお前はゲームに集中してろぃ」

指先を滑らす度にピクッと身体を跳ねさせる赤也の反応に少しだけ機嫌を良くしたブン太は赤也の胸を弄びながら鼻歌まじりに彼の首筋に舌を這わせた。

「あっ…先輩ぃ…」
「んー…?」
「やめっ、くすぐったい…」

片手で首を押さえながら勢い良く振り向いた赤也の頬は真っ赤に染まっている。
目尻に涙を溜めて恨めしそうに睨み付けてくる彼はブン太の悪戯心を煽り立てるには充分すぎるものだった。
にっと口端を釣り上げたブン太は一瞬、赤也と視線を合わせた後彼の唇を塞いだ。

「ん…、んんっ」
「ん、は…ぁ…ん、」

唇を離せば濡れた唇がまた扇情的で、縺れるようにしてブン太と赤也はフローリングに身体を預けた。

「丸井先輩…っ」

赤也の頭の上に置かれた携帯ゲーム機の画面は真っ黒になっていていつの間にか電源が切られていることに気付いた。いつゲームをやめたのか、少し気になったがそんな事よりも目の前にいる物欲しそうな表情で足を絡めてくる赤也の姿にブン太の意識は全て持っていかれた。
Tシャツを脱がせて、再び口付けてる間にズボンのベルトを外させる。
パンツ一枚の姿にしたところで彼の腰を少し浮かせ、赤也の纏う衣服を全て剥ぎ取った。

「先輩も…」

足を擦り合わせて身体を隠そうとする赤也は顔を背けながらもブン太の着ているYシャツのボタンに手を伸ばした。
緊張しているのか微かに震えた手つきでゆっくりとボタンを外していく赤也の頬にキスを落とし、残りのボタンはブン太が自分で外した。

「赤也に脱がしてもらうって何か新鮮だな」
「俺だけ裸なのはフェアじゃないっすから…」

真っ赤になって言う赤也にキュン、と心臓が締まり、次には頭で考えるよりも先に赤也の身体に舌を這わせていた。遠慮がちに漏れる赤也の喘ぎ声がブン太の耳を甘く痺れさせていく。

「丸井せんぱ…そろそろ、欲しいっす…」

そう言ってブン太に背を向け、四つん這いになった赤也。最後、いつもならブン太の方が我慢できなくなって赤也に許可を得て繋がるのだが今日は彼の方から求めてくる。普段、あまり見ることの出来ない積極的な恋人にブン太の気持ちも最高潮に高まった。

「お前…どうなっても知らないからな」
「責任とってくれるなら、どうされたって構わないっす」
「あったり前だろい!きっちり責任はとってやるぜぃ」

宛がった赤也のソコにブン太のモノを一気に入れると、赤也の背中は大きく仰け反った。ブン太もまた彼から与えられる刺激に耐えられず、一度目の絶頂を迎えていた。互いに意識が飛ぶ寸前まで求め合って、絡み合って、もう何度目になるか分からない快感の波に飲み込まれて、気付けば2人して床に横たわっていた。

「わりぃ、赤也身体痛かっただろ?」
「んーん、大丈夫っす」

赤也の髪を撫でると彼は平気だと笑ってブン太の首に腕を絡ませた。散々求め合った後だと言うのに疲れを感じさせない彼の笑顔にブン太もつられて口元が緩む。
頭に置いていた手を頬に滑らせて、もう一度触れ合うだけのキスをすれば、ああ、愛されてる。という実感が胸いっぱいに広がった。

「丸井先輩、大好きっす」
「俺も大好きだぜぃ」
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