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可愛い君にはたくさんのキスを




「で、どうしたらこんな風になってんですか?」

「…私にもよくわからない。」


話は数十分前に遡る。


私は彼氏であるゴールド君の家に遊びに行く為に、お菓子を作っていた。

ちょっと、うん、ちょっと!不器用な私だから、ポケモン達にお手伝いをしてもらいつつ作っていたわけだけど。

クッキーを作るために色々やってたら、いきなり爆発が起きた。

そしてその爆音を聞いて、ゴールド君がやってきて、冒頭に至るわけなんだけど。


部屋の中は、しっちゃかめっちゃかで床には爆発した物が散乱していてとてもひどい。

その光景を見て、ゴールド君はそう言ったわけだけど。


「…一通りレシピを見て作って、オーブンに入れただけ何だけど。」

「多分どっかで間違ってたんじゃないスか?」

「それを言われると、わからないけど…だってこれ見てやってたし。」

「…うん、まぁオレは見てなかったからなんともいえないッスけどね。」


タオルを片手に持って、私に降りかかってしまった粉やら何やらを拭いてくれる。

…うーん、迷惑をかけてしまったなぁ。


「…ごめんね、ゴールド君。」

「いや、大丈夫ッスよ。そんなナマエさんも可愛いですし?」

「ドジっ子が?」

「それもありますけど…オレの為に一生懸命に何か作ったりしてくれるってことが。」

「っ…!」


ゴールド君はそう言って、私の頭を撫でる。

しゃがんでいるものだから、目線が一緒。いつもは私の方が少し高めだから、少し新鮮。

撫でる手をやめて、その手を私の頬に添える。

あ、ゴールド君の目に私が写ってるな。


「…うん、ナマエさん。とりあえずここを片付けるのは後ですね。」

「え、でも片付けないと…」

「いいから。」

「わ、」


横抱き(お姫様抱っこ…は、恥ずかしい!)にされて、ひとまず被害のないソファへと座る。

私は離してくれないみたいで、ゴールド君の膝に座る形になる。

え、え、ちょっとゴールドくーん?


「…どうしたのゴールド君?」

「可愛いから離したくないだけです。大人しくしてるとご褒美がありますよ?」

「…えぇと、とりあえず大人しくはしてるけど、」

「じゃあご褒美ですね。」

「、」


ちゅ、と頬に1つ。


「ご、ゴールド君!」

「赤くなってますね、可愛いですナマエさん。」


その表情はどこか妖艶で、思わずごく、と生唾を飲んでしまうほど。

な、何かスイッチが入っちゃってるよ、ゴールド君!


「そんな赤くなったナマエさんには可愛いのでもう1つご褒美です。」

「わ、」


もう片方の頬にキスをされ、思わず目を瞑ってしまう。

ゴールド君のその表情と、キスをされる恥ずかしさ…い、いやじゃないけどね!

それらが重なって、ゴールド君の顔をまともに見れない。


「…それはどこにキスをしてほしいって顔ですかね?」

「うぅっ…」

「顔が見れないんですか?ならどこにでもキス、できるッスね。」


ちゅ、ちゅ、と次々とキスを降らせてくるゴールド君。

ほ、本当に何で、急にこんな甘い雰囲気になったんだろう?

私、お菓子作り失敗しただけなのに!


「ゴールド君!」

「止めても無駄ですよー、オレもうスイッチ入ってますから。」

「でも、なんで!いや、じゃないけど!!」

「そーですねぇ、強いていうなら…」


ナマエさんが、可愛いのがいけなかったですかね?


そんなことを言われてしまったら、私はもう何も出来ないです。


End


リン様へ捧げる10000hit企画リクエストはゴールド君ということで書かせていただきました!

まだ見放していなければ幸いです><

リン様のみのフリーとなります。




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