夢見 | ナノ
ヤケ食いで菓子パン8コ食べました





「…でね!?その時アイツなんて言ったと思う!?」

「…飽きた?」

「そう!そうなのよ…!確かにそりゃあ私ワンパターンだったかもしれないよ!?でもさ、わざわざ言わなくていいじゃない!!」


俺は今、來羅のヤケ食いに付き合っている。

というのも、何でも学校の先輩にフラれたということで。

もうこれで菓子パン何個目だろう…8個は食べたと思う。

勿論、それを食べたのは來羅。俺はせいぜい2個。

菓子パン甘くて好きだけど、そんなに一気には食べられない。


「そうだね。」

「でしょー?もうホンット腹立つったらありゃしない!」

「…お疲れ様。多分、別れて正解だったんじゃない?」

「そうかなぁ…私、真面目に好きだったん…だけど、ね。」


別れて正解だよ、だってその先輩確か普通に他の女の子と付き合ってたし。

でも、それを言ってしまえば來羅が悲しむから言わない。

好き好んで、泣かせようとは思わないし、したくない。


「…また、いい人見つかるよ。」

「だと、いいんだけどね。もう少し慎重になろうかなぁ…体当たりばっかりじゃダメだよねぇ。」

「…そうだね。」


そんなに、ヤケ食いするくらい好きな人か。

…俺も、そんな存在に…いや、なりたくない。

どうせだったら実ってそのままずっと付き合いたい。

…俺の事はどうやら普通の友達にしか思ってないみたいだから、ひとまずはこのままでいてあげるけど。


「レッド、いつも付き合ってくれてありがとね。」

「…別に、來羅の頼みなら付き合うよ。」

「やだもう!そんなこと言われると惚れちゃうでしょ!」

「…惚れればいいんじゃない。」

「…え?」

「なんて、ね。でも冗談じゃないよ。…そろそろお昼休み終わるね。行こう、ライラ。」

「あ、ちょっと待ってよ!どういう意味よー!!」


惚れちゃう、なんていわれたから、つい口が滑った。

…まぁ、これで少しは意識してくれるといいな、なんて強かに思いつつ。


「(でも…きっと來羅はまた、違う人と付き合うんだろうな。)」


それは少し寂しいことだけど、まだ俺はこの相談とかされる立場みたいだから。

…もう少し、待ってみようか。


「ねぇ!」

「何、來羅。」

「…、なん、でもない!!」


そういって來羅は、俺を追い越して階段をかけていった。

…うん、意識してくれてるかな?


「…ヤケ食いされないように、頑張ろうかな。」


願わくば、なんて俺の柄じゃないけど。

そうならないように、たくさん構ってあげようかな。


End


ヤケ食いしたのはヒロインでした。


ヤケ食いはよろしくない。

そりゃもう、次の日の体力がやばいことになるくらいに。


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