夢見 | ナノ
ハロウィン−レッド編−





「レッドー遊びに来たよ!」

「…あぁ、いらっしゃ…」

「じゃん!レッドも大好きなカボチャケーキ!」

「…。うん。ありがと。」


ライラはあんまり人の話を聞かない。

けど、俺の為に色々してくれたり、何かくれたり…とにかく、俺に一生懸命な子。

そんなライラを俺は好きなんだけど、上手くいえない。

…どうしよう、かな。


「ね、ね、レッド。トリックオアトリートっ!」

「…ライラの目当てはこれだよね。」

「えっへへー!レッドが覚えててくれて嬉しいな!」


このハロウィンに必ず、ライラはこのカボチャ型の飴を数個ほしがる。

なんでこれなのかはわからないけれど、物心ついた時からこれをハロウィンの時にあげている。

…毎年ねだりたいくらい、大好きってことかな。

その大好きが俺に向いてくれると嬉しいけど。


「おいしい?」

「とってもおいしいよ!いつもありがとねレッド!」

「…でも、何でいつもこれなの?前からずっと思ってたんだけど。」

「ん?それはねー、レッドが初めてハロウィンでくれた飴だからだよー!」

「…そう、だっけ。」

「そうだよ?最初は凄く迷ってたけど、お菓子でいいんだよって教えたらこれをくれたの!」

「…、そっか。」


そんな些細な事を覚えてくれてるっていうのは、俺としても嬉しい。

…俺は忘れてたけど。

…これなら…自惚れても、いい、かな。


「…ねぇ、ライラ。」

「何ー?」

「トリック、アンド、トリート。」

「え?」

「ケーキは、ありがとう。でも、俺も言ってみたかった。トリック、アンド、トリート。」

「え、っと…トリックオアトリート、だよ?」

「お菓子かいたずらか、って選ばなくちゃいけないルールなの?」

「う、うんっ、多分そうだよ?」

「じゃあ、俺がルール。お菓子はあげたから…次はいたずら、かな。」

「え、えぇぇぇぇ!?」


狼狽するライラは、いつもと違って新鮮で。

見てて、何だか可愛いなぁって思えてきた。

目を左右に泳がして、俺の方を見てられない、って感じで、物凄く可愛い。

そんなライラに、俺はひとまずぎゅっと抱きしめておいた。

まだキスは、…、は、やい。


「れれ、レッド!、こ、れは、」

「いたずら。」

「い、いたずら?」

「そう、いたずら。ドキドキしたでしょ?」

「う、」

「したなら大成功。でも冗談とはとらえないでほしいな。」


そう言ったら、ライラの顔はこの上ないくらい赤くなった。

…気持ち、伝わったならそれでまぁいい、かな?


End


ボケボケレッドになりつつあった、いやなってしまった?

微妙で申し訳ない。


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