夢見 | ナノ
眠ってチャンスを待ってみた、










※学パロ























右斜め前に座るレッド君は常に眠ってる。


「…」


常に見ているけど(…まぁ、好きは好きなので見るのだけは許してほしい、な!)、授業中に起きているのを見た試しはない。

そんなに眠いのか、と思うぐらい。

ひどいときは昼のご飯の時も眠ってるくらい。

まぁ、グリーン君が起こして連れてってるみたいだけど…。

あの2人と仲が良いブルーちゃんに話を聞いてみても、「常に眠りたいそうよ」というだけで、そんなに眠りたい理由はわからなかった。

…かといって、そこまで仲良くない私がそれを聞いてもなぁ。


「うぅーん。何でだろう。凄く気になるんだよなぁ。」

「なら聞いちゃえばいいじゃない。」

「それが出来たら苦労しないよブルーちゃん。」


同じクラスではあるけれど、そうそこまで話すこともない(というより話しかけるタイミングがない)からね。

というか知りもしない人に「何でそんなに寝てるの?」とか聞かれても普通答えないよねぇ。

まぁ私自身、何でそんなに気になってるのかがわからないんだよなぁ。


そんな私の姿を見て、ブルーちゃんは何やらニヤニヤしながら私を見る。

…な、何だろう嫌な予感しかしない。


「レッドー今起きてるかしらー?」

「…、寝てたいんだけど。」

「まぁまぁそういわずに!」

「…。何の用?」

「來羅がね、聞きたいことあるんだってー!」

「ちょっブルーちゃん!?私の名前出しても絶対来ないから!!」

「ところがどっこい、来るのよねーこれが!」

「…なんだ、來羅の用事だったの。」

「ほんとに来た!?」


ゆったりした動きで立ち上がり、こちらに向かってきてくれたレッド君。

…信じられない、一体どういう細工したのブルーちゃん。

そんな目を向けると、「私は何もしてないわよー、本当に!」とおどけながら答えてくれた。

…怪しすぎるけど、今はまぁ信じてあげよう。そうした証拠もないわけだし。


「…で、來羅、用事って何?」

「あ、あぁ、ごめんねレッド君。わざわざ起こしちゃって…」

「それはいいよ、來羅だし。…何か、質問?」

「う、うん。た、大したことじゃないん、だけど…」

「大丈夫、何でも聞いていいから。」


な、何でこんなに優しいんだろうレッド君。

でもその優しさは誰にでも見せちゃダメだよ勘違いしちゃうからね!


「えっと…私が見てる限り、授業中も、お昼もずっと寝てるよね?」

「…まぁ、そうだね。」

「何でそんなに眠たいのかなーって…というか、何で常に寝てるのかなって。」

「…あぁ。まぁいつでも眠たいのは事実だよ。」

「あ、やっぱり眠いんだね。」

「うん。でもほとんど寝たフリだよ。」

「え、寝たフリ?」


それは意外だ。でも寝たフリをするっていうのは…どういうことなんだろう?

不思議に思ってると、レッド君が隣の席の子の椅子を取り出して、私の席のすぐ横に置いた。

…近い、んだけど、な!


「そう、寝たフリ。」

「で、でも何で…あ、授業はお話だけ聞いてる、とか?」

「…まぁそれもなくもない。」

「…?なくもないってことは他の意味もあるってこと?」

「…まぁ。」

「うふふ、レッドってばガラにもなく照れちゃってー!」

「え、照れてるの?」


といっても、顔が紅潮してるわけでもないし、言葉がうわずってるわけでもないし…。

え、信じられない。


「…ブルー、」

「あらやだ私ってばお邪魔だったわねー!それじゃ、仲良くねーお二人共♪」

「え、ちょっブルー!?」

「…後で色々とっちめる。…ねぇ來羅。」

「もう、ブルーってば…あ、えっと何かな?」

「寝たフリしてるのは來羅が寝てる姿を見てるのに気づいたから。…視線、くすぐったかったよ。」

「え、えぇっ!?気づいてたの!?」


うわぁ恥ずかしい!気づかれてたなんて…!

やばいどんどん顔が熱くなってく…うぅ、恥ずかしい!


「まぁ、ずっと見ててくれたみたいだし。」

「…うん、ごめん。今度からは見ないように…」

「くすぐったいだけ。…心地良いから、やめないでね。」

「…え?それはどういう…」

「いいから。…後、これからは気軽に話しかけてよ。寝てても。」

「い、いいなら、話しかける、けど!」

「ん。じゃあそろそろお昼終わるね…あ、今日は一緒に帰ろう。」

「あ、うん、えっと、じゃあまた後で…!」

「また、後で。」


…どうやらレッド君とは仲良くなれそう、です!

けど、思ったよりもフレンドリー、だったなぁ。

これからはもっと話しかけていけそうかも!

















「で?私への報酬はあるんでしょうね?」

「…なんでブルーに…」

「あーら、私が來羅と話してるのをずっと聞き耳立ててた貴方が言うのかしら?」

「…。」

「まぁ、人見知りの貴方だから?話しかけるのが怖かったんでしょうけどねー?」

「…おい、」

「私が貴方を呼ばなかったら一生話しかけられないままよ?」

「…。何がいいんだ。」

「物分りがよくてよかったわ!お昼ごはん1週間分で手を打とうじゃない。」

「…はぁ。わかった。」


眠ってチャンスを待ってみた、

けどこれは何か違う気がするな、とレッドはふと思うのだった。


End


こんなほのぼの?が書きたかった。



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