悪魔…。
多分、いや絶対。
彼は、悪魔の尻尾をお母さんの胎内に忘れたに違いない。
いやお母さんは物凄くおおらかで優しい方だから、悪魔の化身とかでなくむしろ正反対なんだけど!
「…どうしたの、もう終わり?」
「、はっ、ちょ、も、無理っ…」
「これでくたばるなんて情けないね。もっと体力つけたら?」
開始から約5時間ぶっ続けでバトルしたりなんだりしてるのに息を全然乱してないレッドがおかしいんじゃないでしょうか。
そんなことは口が裂けてもいえない。いえるはずはない。
だってこのドSにそんなことを言ってみろ。更に過酷なトレーニングを足されるだけだ。
私だってここシロガネ山の頂上に登れるくらいの体力もあるし腕前もあると自負してる。
だというのに、この男の体力とかもう人間じゃない気がする。
平気で岩肌登るし、少し大きいくらいの岩なら壊すし、お前はポケモンかと問いたくなる。
というか、何で私レッドに捕まってるんだろ。
いやレッドが強いのはわかってるから、戦ってて本当に勉強になる。
…問題は、その性格だ。うん。
「…何か言いたそうな顔だね。」
「いやそんなことはないよ、でも流石に休ませてほしいです切実ですポケモン達が疲弊しきってます」
「…しょうがない、ポケモン達は休憩にしよう。」
「やったー!」
ようやく休みだよ嬉しいよ、水飲みたい!
と思ったら、あれ、ポケモン達はって言った?
「ライラはこのまま修行。まずは岩肌登るよ。」
「いやそれが出来るのはレッドだけだから!私人間だもん!」
「俺も人間。俺についてこれるライラもきっと人間を超越してるから大丈夫だよ。」
「やだやだ私まだ人間やめたくないっていうかレッドは超越してるって自覚あるんだ?」
「まぁ、流石に。さぁライラ、ここを登ってごらん。」
そう言ってレッドが指差す方向は、明らかに180度を超えてる角度の岩肌。
…ロッククライミング…の域を超えてます、レッドさーん…。
「無理、頭打って死んじゃうから!」
「大丈夫、俺が受け止めてあげるから。」
「いやそれ以前の問題!っていうかレッドは登れるの…?」
「俺が出来ないことをライラにさせようとはしないよ。」
ということは出来るってことですかそうですか。
…ええい、これが終わればひょっとしたら休めるかもしれないし!
…女は度胸!
といざ登って見たら。
「にぎゃあぁぁぁぁあぁ!!」
やっぱり直角は無理です落ちますってば!
けれどレッドは予測はしていたようで、私が落ちる場所に待機してくれていた。
勿論、カビゴンがいる。トランポリンというかクッション代わりかな。
「…もう少し女の子らしい声出したら。」
「…流石に無理だよレッド…」
いや普通の女の子ならきゃあーとか言って悲鳴をあげるのかな。
あーますますやばい。女を捨て始めてるよ私…!
「大丈夫。こんなところまで登ってこれる時点で普通じゃないし。」
「それフォローでもなんでもないからね!」
「まぁでも…
そんなライラだから好きなんだけどね。」
「…、うわぁ何かレッドがデレると怖い。」
「そんなことを言うライラには今から2時間筋トレを追加してあげるよ。」
「いやいらないですすいませんでしたぁ!!」
一瞬デレ、常に悪魔…そんな無表情なレッドに今日も私は負けるんだよね!
でもまぁそれでも良いと思う辺り、Mなのかもしれないとか密かに考えてしまう私だった。
「…俺は別にSでもなんでもないけど?」
「…レッド、それは口にして言っちゃダメ。」
「なんで。」
「レッドがSじゃなかったら、他の人のSがどれだけ小さくなっちゃうの。」
でもきっぱり言うとまた地獄のトレーニングが待ってるので言いません。
End
ギャグにしたかった。はずだった。
閉鎖されてしまいましたが、お題サイト様であるtrash様からお借り致しました。
戻る TOPへ