問題なく、私は好きです。
※ノボリが病んでるというか度量の狭い人。
ひとまずヤンデレっぽいような感じ。病んでます、少し。
そういうものが苦手な方は回れ右。
「ワタクシは貴女を好いております、片時も離れるのも嫌なほど。しかし貴女にとってはそうではないのですよね?大丈夫でございます、承知しております。貴女様は可憐で可愛いお方です、周りが放って置くわけがございませんからね。友人も然りでしょう。しかしワタクシは不安で不安で仕方ないのですよ。えぇそれはもう貴女と会ってお話していた方を殺したい程に。けれどワタクシ犯罪者にはなりませんよ。そうなってしまったらこの職を失い、貴女様を困らせてしまいますから。勿論今の職を失ったとしても貯えは十分にございます。しかし貴女様はそれを望まれません。なので我慢しているのですよ本当は殺したいというのにあぁワタクシ貴女様のおかげで本当に忍耐というものが身に付いた気が致します、あぁワタクシのライラ様、愛しておりますよライラ様、ですからなるべくワタクシ以外には近寄らないようにお願いしたいのです、えぇそれはもうよく存じております勿論無理のない範囲ででございます、約束事、どなたかとお出かけする際にはワタクシに一言申してくださいまし、でないと貴女様をワタクシの部屋に閉じ込めてしまいそうです。」
…と、ここまでをマシンガントークされたら、誰だって呆けるというか、唖然とするというか…。
その、ノボリさんがそこまで色々考えていたとは思わなかった。
確かに男の人と2人きりで会うのは、付き合っているノボリさんに悪いとは思う。
だけど、それは友人としてマルチトレインに乗るなりバトルするなりの約束というだけだ。
…確かに一理あるけれど、そこまで気にしていたら気が気じゃないのでは。
そう問いかける間もなく、ノボリさんは無表情(よりは少し感情が見えなくもない。…少し怒っている、と思う)で私に問う。
「…ライラ様、ワタクシの言うこと、聞いてくださいますよね?」
それは何という自由の損失。
というか私、ここまで何一つ言葉を挟めてないんだけど。
「あの、ノボリさん。確かに今回は私も悪かったと思います。ただ女の子の時は…」
「例え女性の方でもワタクシは許せないのですよ、ましてや2人きりで会うというのは特に!ワタクシは誰に対しても嫉妬の嵐が渦巻いております故…あぁ、ポケモン達は別でございますよ。ワタクシとて同じくトレーナー、そしてワタクシはサブウェイマスターでございますしポケモンに対する愛情は致し方ないとしております、ワタクシもワタクシの仲間達には愛を持って育て上げておりますから。」
「…そう、ですか…」
これは本当に困った。
お付き合いすると決めた時から少し違和感を持っていた。
必要以上の詮索、気が付けば後ろにいるノボリさん(これは流石に怖かった、どこのストーカーかと思った)。
ライブキャスターを見るということは流石にしなかったけれど、それでも嫉妬深い、程度にしか思わなかった。
でも、私だってノボリさんのことが好きだからこうして付き合っている。
このくらいのことで恐怖するのであれば、ノボリさんのことを好きだといえる資格などないのだろう、と思う。
「…すみません、参考までにお聞きします。過去にお付き合いされた女性はいらっしゃいますか?」
「えぇ、まぁワタクシも齢26でございますから幾度かは経験がございます。しかしどの女性もワタクシの…彼女達曰く、本性、と仰られましたが、そちらを垣間見た瞬間、行方をくらませてしまいました。しかし貴女様が彼女達をよく思わないというのであればすぐにワタクシの記憶から抹消致します、いえ、何でしたら存在も」
「それは流石にやめてください、私ノボリさんが犯罪者になるのは嫌です。男性は勿論、女性にも手を上げてしまったらそれは犯罪です。」
「そうでございましたね、ワタクシとしたことが先程申したばかりだというのに。申し訳ありませんライラ様。」
そう言って恭しく頭を下げるノボリさんに、どうしたものか、と考え込む。
…ノボリさんの言うことを全て聞いていたら、正直私というプライバシーはなくなってしまいかねない。
勿論私はノボリさんが好きなので、聞いてあげられるものは実行したいと思う。
しかし今までの女性もひどいな。行方をくらませるってつまりそれはノボリさんを捨てたってことだよね。
「ノボリさん、私にどうしてほしいですか。…正直なお話、2人きりで会わないっていうのは実行できそうにないです。知り合いも多いですし。」
「えぇ、そうでございますね、ライラ様はお知り合いの方がとても多く、常にどこかに出かけてしまいますからね。」
「…まぁ、あれです。これからこの人とここに行きます、何時位にここに着いて、帰宅しますとか…そういうのをする、というのはどうでしょう。」
「…そうですね、それならばワタクシも多少は心を落ち着けて向き合うことが可能でしょう。」
「なら、私はこれを実行します。…だから、」
「承知致しました。ワタクシ本日よりそのお言葉を信じ、ライブキャスターの着信及びメールを心よりお待ちしております。時間は午前7時きっかりでお願い致しますね?あぁ約束が急にお決まりになりましたらその都度早急にご連絡をしてくださいまし。でないとワタクシその方をストー…いえ、なんでもございません。」
驚きの連続ではあるが、多分これが本来のノボリさんなのだろう。
後でクダリさんにでも聞いてみようか。
なんて思っていると、ノボリさんはカツカツとこちらに向かってさらに距離を詰めてくる。
特に抵抗も何もないのでノボリさんをジッと見てると、ギュッと抱きしめられた。
「…どうか、こんなワタクシを、捨てないで下さいまし。」
「…私がノボリさんを捨てるなんてありえません、というかそんなこと言ったら初めから付き合いません。
まぁ確かに今日は驚きましたが…これが本当の、といったら聞こえが悪いですが、ノボリさんなんでしょう?」
「そうでございます、ワタクシはこういう性格で、こういう人間なのです。…クダリからは“ヤンデレ”などといわれましたが。」
「ヤンデレ、確かにまぁそれに近い形だと思いますけど。まぁつまり嫉妬ですよね大きく考えて。」
「えぇ、クダリの言うヤンデレというのは断固否定致しますがつまり嫉妬なのです。…度量の狭い男で申し訳なく思ってはおります。」
「わかってます。…そんなノボリさんも、大好きですよ。」
ノボリさんが被ってる帽子を取り、空いてる手で頭を撫でる。
それに甘えるように、ノボリさんはさらにギュウ、と私を抱きしめた。
「え?あぁ、ノボリのそういう面ね、アレは間違いなくヤンデレ!」
「そうは思いますけど、それにしては種類が微妙な気がするんですが。」
「んー、ねぇライラ。そんなノボリは嫌い?」
「いえ、それもノボリさんであるならば私は大好きです。」
「よかった!でもノボリ、本当に前までは危なかったんだよ?」
「え?」
「付き合う前までは遠目から“ライラ様、あぁ愛しのライラ様、どうして貴女はそんな男といるのです、そんな女性といるのです”ってぶつぶつ言ってたよ。」
「…、時々背中がゾクリとしたのはそのせいでしたか。まぁ今となっては愛情ってことで受け止めときます。」
「うんそれがいいよ!あ、ノボリーお帰り!」
「お帰りなさいノボリさん、お邪魔してます。」
「いらっしゃいましライラ様。クダリ、貴方は余計な事を言わないで下さいまし。…お恥ずかしいです。」
「おかえりー!だって聞かれたから!」
「…ワタクシにとっては恥ずべき行動なのです…ライラ様、事実ではありますが…」
「大丈夫です、そんなノボリさんも大好きです。」
「あぁライラ様!お慕いしております!!」
「はい、大好きですノボリさん。」
「…温度差が凄いけど、まぁそれ位がいいのかな?」
End
無駄に長くなってしまった。
まぁヤンデレっぽい何かが書きたかったのです。
ヤンデレノボリさんってこんな感じのイメージ。
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