夢見 | ナノ
我儘まっしぐら





「ねー、まだー?」

「もうちょっと…なので、もう少し待っててください。」

「もー、そればっかり!それ、さっきからずっと聞いてる!」


そうは言っても、とライラは思考をめぐらす。

手元には研究資料が所狭しとばら撒かれており、現在はそれを全てまとめなければならない。

そのバラバラにしたのも、クダリの仕業であるが。

ライラとしては無駄な仕事を増やされ、眉間に皺を寄せたいところだった。

…とはいえ、置いた位置が悪かったと自負していたので大人しく怒らず整理をしているわけだが。


「…私も悪いとは思ってるんですけど、クダリさんがばら撒いたのも原因のひとつですからね?」

「それはボクも悪いって思ってる!でも、少しは構ってよ!」

「…、」


そういえばと時間を見れば、軽く数時間は経っていることに気づく。

流石によくない、特にクダリは数時間構わないと後が怖い。

そのことを十二分に知っているライラはまずいと思い、まとめた資料を片付ける。


「…ごめんなさいクダリさん。こんなに時間経ってたんですね…」

「そうだよ!もーライラは真面目すぎ!」

「クダリさんはもう少し真面目でも良い気がしますが…」

「むー、でもいーや!ライラ休憩してくれるんでしょ?」

「えぇ、まぁ。少しは休憩しないと…って、ちょっクダリさん!?」

「きゅーけいするならこっちこっち!」

「がっつり寝るわけじゃないのでそっちに行かなくても良いんですっ!?」


そうは言っても力では叶わない。

あっという間に、クダリに引っ張られライラはベッドに身体を預ける。

勿論、クダリも一緒に横になっている。


「ね、ひとまず一緒にねよーよ!」

「…や、私そこまで眠くないんですけど。」

「…構ってくれなかったのに?」

「うっ…。あー、わかりましたよ。寝ます。寝ますよ!」

「わかってくれてうれしーな!じゃーおやすみのチュー!」

「っ!」


気がつけば覆いかぶさっていたクダリが、ライラの唇にキスを送る。

不意打ちなその行動に、ライラはたちまち顔を紅潮させる。

それがまた、クダリには良い興奮剤となるのを彼女は知らない。


「…じゃあ、おやすみなさい。クダリさん。」

「うん、おやすみー!」


ぎゅうっと抱きしめて寝るクダリにライラは苦笑いしつつも、これからは時間を気にしようと思えたライラだった。

















「…次は、ただ寝るだけじゃすまないけどね?」


End


第3者視点にしたのが間違いだった。まる。

初クダリさんは産廃!精進します!



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