夢見 | ナノ
笑ってた方が良い。






「だから!何で私がいつもいつもグリーンを迎えに行かなきゃなんないの!」

「いーじゃん、どうせ暇だろ?」

「私だって暇じゃないときがあるんだからね!大体グリーンはいつもさぁ…!」


オレだって暇人じゃないし、こうして外に出ることは度々ある。

まぁ挑戦者がいないっていうのが一番で、暇だから来るんだけどな。

今日は近場ってことで、グレンタウン(…島、といった方が正しいか)に来ていた。

そして案の定、着いてから数分でヤスタカやら何やらから電話の嵐。

いくら挑戦者がいないからって、とか、たまにはちゃんとジムリーダーらしく、とか色々電話越しに言われるが、大した返事もせずに切る。

すると、決まってライラが居場所を聞き出して、オレを連れ戻しに来るのだ。

まぁ、オレはライラが来てくれるってわかってるから、嬉しくてついついやっちまうんだけどな。

ライラにとっちゃいい迷惑だろうけど。


「…なんだから!ってちょっと、話聞いてるの!?」

「わーかってるって。話も聞いてる。いつものお小言だろ?」

「お小言って!ジムトレさん達だって毎回のことのように言ってるし!その度に私が呼び出されるんだよ!」

「でも、来てくれるよなーライラは。」

「…まぁ、ジムトレさん達に頼まれたからね!…というか、話がちょっと逸れた!」

「おいおい、そんな怖い顔してんなよ。」

「誰のせいだと…!」

「ま、そんなお前も好きだけど、」


笑ってた方が、より良いぜ?


そんなことを耳元で囁くと、ライラの顔はみるみる真っ赤になっていく。

…あぁ、そんな風に赤くなった顔も可愛いと思うのは末期か?


「な、ちょっ…も、もう!グリーン!!」

「顔真っ赤だぞー?」

「グ、グリーンが耳元で言うからでしょ!」


もうっと言って、これ以上口で勝てないとわかったのかライラはカイリューを出して跨る。

オレもそれに倣って、ピジョットを出す。勿論、ジムに帰るため。


「…今度からはやめてよね、ジム抜け出すの。」

「どうだろうなぁ、ライラに構ってほしいから、また抜け出すかも。」

「…少しくらいなら、遊びに行ってあげるから!」

「んじゃ少しはやめるかな。でもたまにこうして抜け出すぜ?」

「さすがに毎日は無理だよ…でも、出来るだけジム覗きにきてあげるよ。しょうがないから!」


そんな風にそっぽ向いても、耳が赤いからバレバレ。

可愛いライラに、後で感謝のキスでも送ってやろう!


End

グリーン視点でお届け。

こちらはもう閉鎖されてしまいましたが、trashさんのお題をいただきました。


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