夢見 | ナノ
つまりは相思相愛




「どうしたらもっとボクを好きになってくれるんだい?」


唐突に出た言葉に、咄嗟に答えは出なかった。

いや、まぁ唐突過ぎて言葉にならなかったといった方が正しいんだけれども。

なんというか、Nらしいというか。

疑問に思ったこと、してほしいことは、すぐに言葉として出してくれる。

その反面、私はといえば…その真逆で。

思っても、彼に対してその言葉はそれで大丈夫なのかとか、そうでないのではとか。

考えて、考えた末に答えを出しても、いつもそれは遅くて。

…うん、私のことはどうでもいいや。今は、Nの言葉に答えないと。


と、思ったら。


「まぁ、ボクがもっと色々頑張ればいいのかもしれないけどね。」

「え、っと…N?」

「あぁごめんね、ボクが一人で解決しちゃって。…ライラはそのままでいてね。」


動いちゃダメだよ?とつけくわえられ、ポカンとしながらとりあえずNの言うとおりに、動かずにいる。

数秒、そうしていただろうか。

Nからの動きは、ない。


「(…どうしたんだろう、N。)」


動いちゃいけない(と思う)けど、たまには私も動いた方が良いのではないだろうか。

いつもいつも、Nが先に動いてくれるけれど…やっぱり、私から、


「ライラ」

「っ、N、」


色々思考していたら、名前を呼ばれて思わず上を向く。


すると、ちゅ、という音と共に視界がNの顔でいっぱいになる。

次第にそれは深いものへと変わり、頭の中も全てNで支配される。

何も、考える暇すら、与えられない。

最後にもう一度ちゅ、と音を立てて、Nが離れていく。


「…どう?もっと、好きになってもらえたかな?」

「…う、ん。」


あぁ、私は多分それでいいんだと、思う。

こうして行動で、言葉で、Nは私を支配していく。

それを私は受け止め、Nに対して更なる愛情を感じて。

…でも、やっぱりNからだけじゃ、不公平だよね。


「ねぇ、N。」

「何だい?」

「…だい、すき。」

「!…ありがとう、ライラ。」


恥ずかしいけれど、それで気持ちが伝わるなら。

これからも頑張ろう、と思う。

…それまでは、待っててください。



End


久々の小説がこれって…。

精進します。


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