夢見 | ナノ
問題児?いいや、ただ好きなだけです。




※学パロ

















「…それで、今度は何したの、ゴールド君。」

「…へへ?」

「笑って誤魔化さない。…ほら、反省文。」

「えーっ」


反省の色がないゴールド君に、はぁ、とため息をつく。

色々問題を起こすゴールド君は、まぁ室内でボールで遊んでいたり、結構暴れてたり…。

そういう理由で、事あるごとに職員室に呼ばれていたんだけど、やっぱりバックれて。

結果、風紀委員長の私に、その仕事が回ってきたわけだ。

…おかげさまで、ここ最近授業が終わっても帰れない状態が続いていた。

私としては、かなりのストレス。


「…ねぇ、ゴールド君。なんでそんなに反抗してるの?」

「え?別にそういうわけじゃないっスよ?」

「…理由なくて、こんなに反省文がたまるわけないじゃない。」

「いやいや、難しく考えすぎっスよー來羅先輩ってば!」

「…」


ならば、本当にくだらない理由で怒られて、私はそんな理由のせいで居残りさせられているということで。

…ちょっと、本当にイライラしてきた。


「…なら、ズル賢いその頭を駆使してさっさと心にも思ってないこと書いたら。私は早く帰りたいんだけど。」

「へーへー。…まぁ、他にも理由はありますけど。」

「…やっぱりあるんじゃない。」

「あーいや、問題起こすのは過程であって…目的じゃないんスよね。」

「…?」


何だろう、はっきりしないなぁ…。

でも、珍しいな。ゴールド君、割とはっきり物を言うのに。


「…うん、男なら腹括らなきゃダメっスよね!」

「え、あぁ、まぁはっきり物言うのがゴールド君だしねぇ。」

「…じゃ、今から真剣に言うんで、來羅先輩も真剣に答えてください。」

「…、わかった。」


さっきまであんなにイライラしてたのに、そんな気持ちはどこへやら。

鼓動が段々早くなっていくのが、わかる。

真剣な顔になったゴールド君を見てると…そう、なるのかな。


「…來羅先輩。」

「…は、い。」

「…俺、來羅先輩のことが、好きっス。」

「…、」

「こうして問題起こすのだって、來羅先輩に会えるからやってたんですよ。

 …学年違うし、こういう理由で会ってるからクラス知ってても行けないし…。」

「…ゴールド、君…」


どうしよう、えっと…真剣に、だよ、ね。

私も、真剣に答えなくちゃ。こういうのは、曖昧にしちゃいけないよね。

でも…私の気持ちは、どう、なんだろう。

確かに、問題を起こして、こうして私までが居残りさせられるのはイライラしていたけれど。

…ゴールド君だから、受けている…というわけでもないし…。

それでも、嫌いと言うわけじゃない。…ダメだ、曖昧すぎる。


「…今は、俺のこの気持ちだけ知っといてください。」

「…え?」

「ほら、まだ気持ちの整理とか出来ないと思いますし。」

「…」


ちゃんと、気持ちを考えてくれてるんだ…。

いつものゴールド君、とはまた違って…その、カッコいい…?のかな。


「そーいうわけで!はい、來羅先輩!反省文書き終わりましたよ!」

「あ、え?あぁそっかそういえば…。」


そういって、ゴールド君は私に反省文を書いた(と思われる)紙を渡される。

…うん、実に見事な文章だ。誠意は伝わるけど態度には表れないところが彼らしい。


「…じゃ、また。あ、先輩。明日か明後日か明々後日の昼休み、空いてます?」

「また随分と選択肢があるね…明後日なら大丈夫だよ。」

「それじゃあ、一緒にお昼食べませんか?…一緒に食べて、仲良くなりたいんスけど?」

「…、わかった、じゃあ、明後日のお昼休みに…一緒に、食べよう。場所は?」

「屋上で!」


凄く嬉しそうに笑うものだから、私も嬉しくなってしまう。

…あぁ、どうしよう。なんだかドキドキしてきちゃったよ。


「んじゃ來羅先輩、また!…迎えに行きますから、教室から動かないでくださいよ!」


また明後日にー!と言って、ゴールド君は応接室のドアを開け、出ていった。

…うぅ、これからが、大変…かも。


「…でも、それも悪くないって思ってるってことは…」


意外と、私もゴールド君のこと…好き…なのかも?

あぁもう!


「…とりあえず、ゴールド君について色々考えてみよう。話はそれから!」


もやもやとする気持ちは考えず、私も帰路についた。


End


初ゴールドde学パロ。

まぁ、これからこれから。


戻る TOPへ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -