夢見 | ナノ
A.とりあえず起こす方が正解だった





※学パロ。
















Q.目の前にイケメンが寝ていたらどうしますか?


「…放っておくわけにもいかないし…、起こすしか、ないよね…?」


とはいえ、どうしても私はイケメンに近づきたくは無かった。

だって、ファンクラブの子達に喧嘩を売りに行くようなものじゃないか…!

そんなわけで、地味に、地味ーに過ごしてきた私は、その願い叶って俗に言うカッコいい子とは知り合うことはなかった。

…この、時までは。


ここは中庭だから、あまり人が通ることもない場所。

誰かが通る確立は、0に近い。

…このままだと、授業始まっちゃうよなぁ…。サボるのかな。

それとも、やっぱりイケメンさんだから疲れちゃったりするのかな。…ほら、ファンの子に言い寄られるとか。

…だとしたら、解答はただひとつ。


「…これでもかけとこう。」


とりあえずこのままでは風邪を引いてしまうだろうから、持っていたストール(マフラーにも出来る優れもの!)をかけてあげる。

…あ、でもこれをしたところで…私、返してもらう術がないかも。

まぁ、イケメンさんが風邪で学校休む方がなんだか寂しいと(ファンの子達が)思うから…いいか。


「よし、じゃあ行くかな…」

「どこに。」

「どこって、授業に決まってるじゃないですか。」

「…來羅、だっけ。」

「そうだ、けど…」


あれ、私今誰と話してるんだろう。

…独り言に返事をしてくれる妖精さんでもいたのだろうか。


「おい。」

「へ、ぁ…!?」


振り向けば、そこには無駄に顔が整いまくってる、人が。

…イケメンが。


「…えぇと…?」

「聞いてるの、來羅。」

「え、あぁ、はい。聞いて、ます…」

「何で敬語なの。同い年でしょ。」

「あ、そうなんだ…、」


どうしよう、え、関わりたくないな、どうしよう!?

やだやだ、この光景をファンの子とかが見てたら絶対体育館裏とか女子トイレとかに呼ばれちゃうんだよ…!

とりあえず、私のするべきことは1つ。


「じゅ、授業がもう始まっちゃうんで!」

「逃がすとでも?」

「ひぃ!?」


持っていた荷物を抱えなおし走ろうとするも、両肩を掴まれ逃げるに逃げれない。

…あぁぁ、こんなことなら逃げると言う選択肢を選ばなければよかった…!!

そんな選択をした自分を恨む…!


「來羅。」

「(っていうか、今更だけど名前知ってるんだ…)」

「…おい、」

「あぁはい!聞いてます、すいません!」

「…これ、後で返すから。」

「…あ、あぁ、ストール…うん、別にいいです、あげますので今後関わらないようお願いします…」

「なんで。」

「なんで、といわれても…」


あなたがイケメンだからです、とはいえない。

しかし…私の名前を知ってるってことは…同じクラスだよね。

ってことは…レッド君、か。この人。


「…俺はそうしない。関わる。これからは毎日昼休み、ここに来るから。」

「…え、」

「その時にこのストール、渡す。けど、また貸してもらう。」

「へ、ちょっ…」

「…俺から逃げれると思ったら大間違い。…よろしく。」


そういって、レッド君は立ち上がって私のストールを持っていく。

…って、私も行かないと授業…!


とりあえず、考えるのは後!

…これからの私の生活に陰りが出そうで、今から不安で仕方がありません。まる。



End


学パロって何でこんなにも楽しいのか。


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