2月22日〜デンジの場合〜
「…デンジって…意外とそういう語呂合わせ知ってたりするんだ…。」
「失礼だなお前。」
まぁ語呂合わせといっても、2月22日。猫の日。にゃんにゃんにゃん。
語呂というほどではないんだけどね。
…デンジは変態さんだから、こういうことなら知ってて当たり前かもしれないけどね。
「…誰が変態だ、誰が。」
「あれ、声出してた?」
「…はぁ。出てた、思いっきり。」
呆れ顔で私を見るデンジは、頭に手を当てていて、本当に呆れているようで。
…そりゃ、デンジの普段の行動ならそういうことをするんじゃないかって思っちゃうのも無理はない。
とはいえ、デンジはそういう気は全くないようで。
「オレはそういう趣味、ない。」
と、一点張り。
…何か、ここまで否定されると逆にやってあげたくなるような。
心なしか、うっすら顔が赤い気がするし。…これは滅多にデンジをいじれない私へのプレゼントか…!
そうとなれば、よし。前にシロナさんがくれた猫耳のピン留め(これが結構可愛いんだよね)を取り出す。
…お、見てる見てる。驚いた顔してるよ、デンジってば!
これはレアな顔だなぁ…ぜひデジカメで写真撮りたい。
でもつけないと意味がないので、とりあえず装着する。
…さて、デンジの反応はいかがなものだろうか。
「…ライラ、お前っ…」
おぉぉ、珍しい!デンジがこの太陽が出ているときにこんなに顔が真っ赤になるなんて!!
早速写真を撮らなきゃ…ネタ!からかいのネタを!!
…と思ったのに、デンジは私の腕を掴んでジムの裏手、ジムリーダーの部屋みたいなところに連れて行かれる。
あっという間に、私は柔らかいベッドの上に倒される。
「デ、デンジ?」
「…趣味はないけど、そういうことをしちまう猫にはお仕置きが必要だよな?」
「…え、そういう趣味がなくてもお仕置きとか言っちゃうの。」
「うるせ。…そんな可愛い恋人見て、誘われてるって思うに決まってんだろ。」
「誘ってないし!ただデンジの照れてる顔が見たかっただけだし!そしてあわよくばネタに…、あ。」
「…ネタねぇ。」
「(しまった口が滑った!)いや、まぁ言葉のあやでね?」
「…ま、ネタにしても問題はないけど。…だけど、それやるごとに1回。」
何の1回、というまでもなく、答えはわかりきっている。
…これは私の危機…!
急いで逃げようとしたって、デンジの力には勝てない。
そのままキスを送られ、耳元に唇を近づけて、
「逃げるな。…今回はライラが悪い。…たっぷり可愛がってやるよ。」
…こんなこと言われて、そういう気にならないわけ、ないです。完敗。
あぁ、神様がくれたチャンスだと思ったのは、大きな間違いだったんだね…。うらむよ神様!
…でも、なんだかこういうデンジを見るのも悪くは無いな、とか思った私はきっと色々間違ってるのかもしれない。
「でも、本当に興味ないの?こういうの。」
「別に。そのままのライラがいいし、…まぁ、たまにはいいけどな。」
「じゃー今度は何にしようかなー。」
「…レントラーの耳。」
「…。私にポケモンになれと。」
「…耳だったら、レントラーの耳が好きだし。つかレントラーが好きだし。」
「本当にレントラー好きだねデンジ…。」
「もちろん、こういう意味で好きなのはライラだけだぞ?」
「わ、わかってるよ。…まぁ、グッズとして売ってたら今度つけてあげるね。(デンジに)」
「…オレにはつけるなよ。」
「(心読まれた…)はーい。」
End
こんなデンジいかがですか。
実は最後の会話が書きたかっただけとか…そんなわけ、ないじゃないか…。
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