嫉妬深いのも考え物です
あぁ、神様。私はどうして彼の逆鱗に触れたのでしょうか。
断じて、ポケモンの技じゃないです。彼の持つこの雰囲気が、もう既に、そんな状態なんです。
けれど、この状況を見るからに、私は彼の逆鱗に触れたわけではない気がするのですが!
何があったって、私はただグリーンとかゴールド君とかとお話していただけなんです。
ついでに言えば、彼は滅多なことではあの危険な山から降りてこないはずなのに!!
「…ライラ…何、してるの。2人と。」
「…おはなし、だよ。ねぇ2人とも。」
「…あ、あぁ、ただの、最近ポケモンどうよ、とか、そういう話、だよ。なぁ、ゴールド?」
「え、あぁ、そうっスよ。(…実際はもう少しでグリーンさんが告白しそうだったけど。)レッドさーん、目が据わってて怖いんスけど…。俺らなんかしたっスか?」
「…本当に、話だけ?」
怖い、本当に怖い、怖すぎる。
私は話すことすら出来ないのか…!友達と!
いやいや、レッドはそんなに器量が狭い男…、では…
…あるね。うん、この状態ならそうだね。あはははは。
…笑えない…!
「それだけだって…だからポケモンも出してるじゃない。」
「そ、そうだ、レッド。この後は山へ戻るのか?」
「…そのつもりだけど。何か嫌な予感がして、戻ってきた。」
お前は獰猛な野生のポケモンか!なんだその第6感は!とグリーンは突っ込むが、レッドは相変わらずの無表情でグリーンを睨む。
それにしても、唐突に話変えたなぁグリーン。
「…ライラさんも大変っスねー、嫉妬深い彼氏さんで。」
「…うーん、でも私、今日は何もしてないんだけどなぁ…。」
「レッドさんですから、何か感じたんじゃないスか?」
「…あぁ、うん。ありえるかもね…。レッドって野性的だから。」
「じゃあナニする時も野生的なんスか?」
「ぶっ…な、何を言い出すのゴールド君!!」
ほんとに何を言い出すんだゴールド君!
下手に聞かれたら、レッドに何をされるかわかったもんじゃないのに…!
…そりゃあ、そういうスイッチ入ったレッドは…うわ、思い出すだけでダメ、赤くなる…
「…ゴールド、何してるんだ。」
「ぅわっ!?レ、レッドさん…いきなり横から顔出さないで下さいよ!」
「…で。何でライラが顔赤くなってるの。何か言ったの。」
「無表情で詰め寄んないで下さいよレッドさーん。ただ、ライラさんとナニするとき、レッドさんは野性的なのかなと聞いただけっスよ?」
「言わないでよゴールド君…!」
「…そうか、ライラは俺のそういう姿が好きなのか。」
「それも好きは好きだけど、普段のレッドがいいです!」
あぁ、もう色々墓穴掘ってる気がするよー、もう!
グリーンなんて固まってるじゃないの!
グリーン、帰ってきて!
「…グリーン、グリーン!!大丈夫、グリーン!?」
「…、え、あぁ…。(いえねぇ、今まで話を聞いてて気を失いかけてたなんて…!)」
「グリーン。ちょっときて。」
「うぉっ!?」
「あ、レッド!グリーンをいじめちゃだめだからね!」
「…ライラは、グリーンが好きなの。」
「違うから!私が好きなのはレッドだから!!グリーンは友達だから!!」
…あれ、なんかグリーンが固まった。…なんで?
そう思っていると、ゴールド君は「グリーンさんって、ほんと不憫っスねー」とつぶやく。
え、何なの一体!?
「…グリーン、同情はしない。かわりに、ライラが俺のモノ、ということだけを言っておく。」
「…そーかよ!ちくしょー!」
そしてグリーンは半泣き状態で走り去っていった。(出していたポケモン、ウインディは慌てて追っていった。)
…本当に、何なのだろう。この惨状は。
「…ライラ、今からシロガネ山に行くよ。」
「え、なんで、」
「用意して。じゃないと無理やり連れてくよ。…2〜3日分くらいは準備しといて。」
「だから何で、」
「用意、しろ。」
「…ライラさん、素直に準備した方がいいんじゃないスか?俺はグリーンさん追うんで。(思い切りからかってやろーっと!)」
「…、そう、だね…」
でも、このままついてったら絶対、何かされる気がする…!怖いんですけど!
飢えた獣みたいな目をしてるレッド…こ、怖い。いや単純に恐怖を感じるんじゃなくて、自分の身の恐怖が…!
「(どうしよう、何か凄く嫌な予感しかしない…!)」
「…時間切れ。ライラ、行くよ。…リザードン、」
グォォォォ、と元気よく鳴き、レッドは私の腰に腕を回して横抱きにする。
ちょ、本当に連れて行く気なの!?
そう目で訴えれば、レッドはこちらを見て。
「…多分、1日は寝かせてあげられないから。」
「…!?」
…その後私がどうなったのか、なんて聞かないで。
End
ゴールド君が出したかっただけ。
グリーンに嫉妬はいつものことです。残念だねグリーン!
そのうちゴールド君とかヒビキ君とかも書きたいな…。
連載とかも。
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