夢見 | ナノ
停電恋





「…本当に、停電が多いねぇ…。どうにかならないの、デンジ。」

「どうにもならない。」

「いやいや、デンジが無理に色々いじらなかったら絶対停電なんてしないんだけどね?」

「無理。常にいじるのが好きだから。」

「(…この男、本当にどうしようもないなぁ。職務怠慢にも程があるだろう。)」


そういいつつ、のろのろ、のろのろと直そうとはしてるデンジを見る。

本当に直す気があるのだろうか。


「…ねぇデンジ。直そうとは、してるのよね?」

「努力はしてる。でもめんどい。」

「…デンジがやったことでしょうに…。それに慣れてくナギサシティの皆が凄いよ本当に。」

「順応力が高いんだろ、皆」

「絶対とは言い切れないと思うなぁ…。」


…そうこういっているうちに、段々と手が止まっていくデンジ。

ほんと、直す気があるのだろうか。


「…そろそろオーバくんもくるんじゃないの?」

「それは…ライラに任せる。つか、相手しといて。」

「いや、それは無理だよデンジ。」


別に、デンジ越しに仲良くなったにはなったけど、1対1ではまだ話しにくい。

…というか、あのテンションについていけない。


「…とりあえずしんどくなったから、今日はここまで。」

「えっ!?まだ全然普及してないんですけど!?」

「疲れたし、おなかへった。ライラ、何かくれ。つか買え。」

「しかも命令形なの!?いやいや、何か買ってくるからとりあえず普及してよ!おいしいのも作れないし!」

「…。いいや。ライラ食べるから。」

「私食べ物じゃないし!」


何をしているんだ本当に!

そもそも、私がここにきてるのもたまたまなわけで…!

そういう関係でもない!


「…あれ、言わなかったっけ。」

「何を!?」

「オレ、ライラのこと好きだから。」

「へ!?き、聞いてないってば!」

「そ?じゃあ改めて。付き合え。」

「(なんだこのムードもへったくれもない状況!)」


…しかもまた命令ですよ。何なんだこいつ!!

そして気づく、デンジとの、距離。


「って、近い!」

「いいじゃん。付き合うんだし。」

「了承してないし!」

「でも、オレに惚れてるだろ。」

「な、な!(確かに好きだけど!)」

「じゃ、別にいいよなキスしても」

「よくない!ついでに迫ってくるな!」

「何。やなの。」

「や、とかじゃなくて…!」

「まぁ勝手に奪うけど。」

「…!!」


肩をつかまれ、あっという間に引き寄せられ、後頭部に手を回され。


「むぅっ」

「…色気ねー。」

「…うるさい。」

「でも、もうオレのもん。よろしく。」

「…。しかたないな。よろしくされる。」

「素直じゃねーの。」

「(そうさせるのはデンジだよちくしょー!)」


でも、耳元で「ライラ」とか呼ばれちゃうと、もう何か色々…どうでもよくなりそうな自分がいて。

…うん、まぁ、こんな始まりも…あり?

















「じゃあデンジ、普及作業続けてね。」

「何で。据え膳を食わないのは男の恥だぞライラ。」

「今はそんな状態じゃないでしょ!電気が使えなくてつらい思いしてる人もいるでしょ!話はそれから!」

「ちっ」

「舌打ち!?」

「…そっこーで直す。そしたらヤる。」

「ええぇ!?やる気出るのはいいけどそっちはやる気出さないでよ!下品!」


この男、本当にどうしたらいいの!


そうこういってるうちに、停電しっぱなしだったのをオーバが気づき説教しにくるまで、後わずか。




End


初デンジがなんだこれwという感じに…。

何かデンジってこういうイメージ。二言目にはめんどい。が出そう。

めんどくさがり、でも好きなことには一直線。…周りが見えなくなるほどにw

主人公は基本的にそんなドSデンジに無理やり振り回されるといい。




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