夢見 | ナノ
好きだからくっつきたいんです






彼が、ここに来てから1ヶ月。

いまだに、彼がわかりません。


「…ねぇ、N。」

「なんだい、ライラ。」

「なんで、私にくっつくの?」

「くっつきたいから。ダメかな。」

「や、ダメというわけではないんだけど。」


一応、私の家はヤグルマの森のちょっと奥深いところにあるから、人気はない。

だから、こうして後ろから抱きしめられていても、大して問題は、ない。

ないんだけど。


「ちょっと、動きにくいんだけど…。これから洗濯物、干さなきゃいけないし。」

「でも、今はライラとくっついていたいんだ。」

「…うーん。なら、せめて腰か何かに移動してくれるかな?手があげられないんだけど…。」

「わかった。腰ならいいんだね?」

「うん。それならくっついてても作業できるからいいよ。」


正直くすぐったかったりすることもあるけど、洗濯物が干せるなら我慢しなければ。

いそいそとNは腰に手をやり、再びギュ、と抱きしめられる。


「…ねぇ、N。なんでそんなに今日はくっつきたがるの?」

「んー…それはね、ライラ。」


ぎゅう、と抱きすくめられ、身動きが完全に取れなくなる。

首筋に唇らしきものがふにゃりとあたり、くすぐったい。


「君が好き過ぎて、君の匂いをずっとかいでいたくなったんだ。」


…その言葉を聞いちゃったら、もうずっとくっついてていいよ、と思わず言ってしまうと思うんだ。うん。


「…というわけで、これが終わったらベッドに直行ね、ライラ。」

「…お昼寝?」

「それもあるけど。…ね?」

「…まぁ、たまにはいっか。」


そうやって許してしまう辺り、私はNに弱いなぁ、と思ってしまった。


End

ほのぼのN夢。

こんなふうにほのぼの、一緒に暮らすNが書きたい。

今回はヤグルマだけど、いつか、Nが他の地方にいって、そこで主人公と出会って一目ぼれするNが書きたい。

短編じゃない。長編で。



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