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 01.婆娑羅クラスは恋の季節(1/9)

桜が咲き並ぶ校庭

生徒たちの明るい話声が賑わう体育館の横には新しいクラス割りが張り出されていた


「あ、あった!慶次も同じクラスだ!」


「うわっ、しかも俺ら婆裟羅クラスってマジかよ…」


高校三年生になったばかりの主人公Aと慶次は不思議そうな面持ちで張り紙をまじまじと見つめていた


婆裟羅クラス…
それは婆裟羅学園でも限られた優秀な生徒だけしか選ばれないという特別クラス

どちらかと言うと勉強の苦手な主人公Aと慶次


「あのクラス替えの張り紙間違ってるんじゃない?」


「確かに。俺は優秀としても主人公Aが婆裟羅クラスなんてありえねーよな」


「そんなの慶次だって婆裟羅クラスなんてありえないって」


二人でそんな会話をしながら新しいクラスの扉を開けた

真っ白なカーテンが揺れる明るい教室にはすでにほとんどの生徒が入っていて
何人かの生徒は雑音も気にせず、前の席に陣取って参考書を開き勉学に勤しんでいた

そして教室の後ろの窓際の席には嫌でも目に付く派手な奴らが視界に入る


「よぅ、おまえらも同じクラスだったのか」


慶次は、主人公Aの横で大声を張り上げると窓際へと迷わずに向かった
慶次の後ろをついて行くと、机に座って話をしていた佐助が主人公Aに気づき、ぴょんと机を降りてこちらに向かって手を振った


「よっ、主人公Aちゃんも同じクラスなんて俺様幸せー」


「おい、佐助!主人公Aに口説くな」


佐助の軽口にかすがは後ろから蹴りを入れた


「佐助はかすがにホの字だから大丈夫だよー」


「ちょっと!何言ってんの主人公Aちゃん」


「そ、そうだぞ、主人公A!変なことを言うな」


「二人とも照れちゃってかぁわいぃぃ。あ、佐助また1on1付き合ってねー」


「はいはい」


佐助とかすがをからかってニヤニヤしていると、机に座っていた政宗が片手を上げた


「Hey!主人公Aも同じクラスだったとはな、これから騒がしくなりそうだな」


「ほんとだねー、よろしく政宗」


「某もよろしくでござる主人公A殿!」


「うん、私も幸村と嬉しいなぁ!1年の頃みたいに宿題の見せっこしようね、幸ちゃん」


照れる幸村をからかう慶次

政宗達と若干距離を置いて机に座り涼しい顔をして本を読む元就の姿を見つけた主人公A


「もーとなりっ!」


元就の前の席に座り、読書の邪魔しにかかった元親と主人公A


「くっ、貴様ら我の邪魔をするでない」


「元就もあっちでみんなと一緒に喋ろうよ〜」


「そうだぜ、毛…」「失せろ長曾我部」


「全部言わせろよ!」


そうこう話していると

パキューン


あ、婆裟羅学園名物のチャイム(信長校長の銃声)が鳴り響いた


武田先生も教室へと入ってくると生徒たちも適当に席に着く


「ねぇ慶次、まだ一人来てないみたいだね」


たまたま隣の席に居合わせた慶次にこそっと話すと「そうだなぁ」と眠そうな声を出す慶次


「だれだろう、気になるなぁ」


主人公Aは気心のしれた仲間が同じクラスでこれからの学園生活が楽しみでしかたなかった


This was written by あんず



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