ザキ | ナノ

 ミニスカポリスとミントンヒーロー(1/8)

スパァァン


狙った通り、シャトルは白線のわずか手前に落ちると試合終了のホイッスルが鳴った


「まだまだだね」


くいっと帽子を正すと、ネットの向こうの対戦相手は悔しそうに崩れ落ち「ちくしょう」と嘆く

握手を交わし、ミントンのラケットを片手にコートを出て、少しだけまとわりつく汗を拭い取る


会場のエントランスホールに貼り出されたトーナメント表。「真選組」の文字の上には、順調に勝ち進んだ赤い線


「次勝てば決勝か…」


余裕の笑みが零れ、その場を立ち去ろうと振り返る

ふと、視線を感じて目の前をなんとなく見てみると、俺の顔をじっと見つめる女の人

ついこの間のみょうじさんに見えてしまった

みょうじさん…
今日の試合見に来てもらいたかったな。もし今日優勝することが出来たら……



「山崎さん?」


「好きだって言うぞ……。あ、はい。…えぇっ!みょうじさん」



私服姿のみょうじさんが「やっぱりそうだ!」と心なしか笑顔で駆け寄ってきた

どうしてこんな場所にみょうじさんが?嬉しいと思う反面、ついこの間のことが頭をよぎりハッとする

まさか、好きな奴の応援?土方さんとのデートを見せびらかしに?

一瞬にして頭に嫌なことが浮かんでくるも、偶然の出会いにまたも運命を感じてしまった


俺ってすげー単純…



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