不思議な世界にご用心 ※真実公開を目指せばそんなに難しくない(はず) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - |
シナリオスペック PL数3〜4人 リミット2サイクル プレイ時間オフセで2時間〜3時間(茶番ふくむ) 推奨Lv1(怪物を変更すれば、レベルをあげる事も可) ・3人でシナリオ回す際、PCCの予言は使わない。 ・同様に、ミノタウロスの脅威カード「生贄」も使わない。 想定される展開 「不思議な世界にご用心」はPC1の友人である「志屍舞」と絶界で合流する所から始まる。 不思議な世界と化した絶界を旅して行く内に、予言の導きによって黒幕の予想が二転三転していってくれたらうれしいと思う。 PCがどのタイミングで真実のトリガーを引くかで、大分変わるかも。けれど、真実公開を優先していけば難しくは無いはず。 注意することは、PC1の真実が序盤の展開で重要な事。出来るだけ1サイクル目で開示するように誘導するように。 導入フェイズ 予言に沿って個別導入を行う。特に年齢上PC1は学生、PC3は予言の都合上先に万 神殿に居てもらう形で始めた方が進めやすい。 「急に来てもらって悪いが、今から有栖川市にある絶界に行って来てもらえないだろうか」万神殿に来て早々、ヘラクレスはPC達に早口で話す。 最近有栖川市で出来た絶界が急速に大きくなっていると言うこと。そのため、有栖川市で被害者が増えていること。早くに手を打たなければ、魔界と化すのも時間の問題であると言うこと。 ヘラクレスはPCの有無を聞かずにカカオから送り出し、現在に至る。 ※このときに、活力と倹約判定を行っておく。PLの準備が整ったら、以下の文を読み上げる。 カカオの扉を開くと、目の前に広がるは水と緑に囲まれた自然豊かな街並み。涼しげな水飛沫を上げる巨大な噴水に、ゆったりと風に揺られる大きな木々。そして、まるで自然と調和するかのようにそびえ立つ建物の数々。 しかし違和感溢れる建物が一つ。有栖川市の中心にある大きな塔のような建物、『有栖川図書館』だけは禍々しいオーラを放っていた。これがヘラクレスが言っていた魔界になり 掛けた絶界であろう。PC達は力強く目的地へと足を進めた。 (PLが図書館に行く宣言をした場合、続けて文を読み上げる。ぐだぐだしそうなら、勝手に進めて読んでも大丈夫) 『有栖川図書館』の前に立つと、禍々しいオーラは先程より一層強く感じた。急がなければと、焦りからPCの一人が図書館の両開きの戸に手をかけ、勢いよく開く。 辺りが一瞬光に包まれたかと思うと景色は一転。緑生い茂る深い森へと変貌を遂げていた。辺りを見渡すと見知らぬ植物が生え渡り、無邪気な可愛らしい小鳥のさえずりが耳に入る。奇妙なことに、動物がまるで人のように会話している光景をみてしまう。 不意に、PC1は後ろから誰かに抱きつかれる。 「PC1!! よかった、知り合いが居た!」 後ろを振り返ると、抱きついていたのは行方不明の志屍舞だった。 「私、ここでずっと迷子だったの。寂しくて、不安で押しつぶされそうで怖かった。でも、PC1が来てくれて不安が吹き飛んだの! ありがとう!」 笑顔で舞はPC1に話す。 ※このときに志屍舞の予言を公開する。 (ここで事情調査としようとするPLが居る場合は、まず自己紹介をするように促してから話しを聞くようにすること。質問には全体的に曖昧に答える、もしくは分からないと言う。 ある程度会話に区切りがついたら、以下の文を読み上げる) 「あのね、PC1。私、行きたい所があるの。でも何処にあるのか、どんな所かわからないけどそこに行かないといけない気がするの。お願い、私をその場所に連れてって!」 こうして、舞の無茶振りによる旅が幕を開ける。 (以降、冒険フェイズに移行する) 冒険フェイズ 冒険フェイズは2サイクルで終了する。各PLは自由な順番で1サイクル一回ずつ基本ルールブックp235の行動を行う事が出来る。 通常シーンの際、以下のシーン表を使うこと。 シーン表A:深い森にて 1d6 --------------------------------------------------- 1:人が通れないくらいの小さな扉がある広間。近くにあるテーブルには小瓶と金の鍵が置いてある。 2:大きな広場。足元には食べかけのケーキと小さな水溜りがある。 3:大きな池がある。ねずみやアヒルなどの鳥獣達がのんびり泳いでいる。 4:静かな森。どうやら誰も居ないらしい。 5:キノコの森。色とりどりのキノコが生えている。人一倍大きなキノコの上で芋虫が寝ている。 6:視界の端に屋敷が見える。しかし、辺りが暗くここが何処なのかは分からない。 --------------------------------------------------- PC1の真実が公開され、女王の城に移動した場合、通常シーン表は以下の表に変わる。 シーン表B:女王の城にて 1d6 --------------------------------------------------- 1:美しい庭園。トランプ兵たちが赤いペンキを持って走ってる。 2:芝生が整えられた開けた場所。何故かフラミンゴとハリネズミしか居ない。 3:潮の香りがす高台。うみがめとグリフォンが会話をしている。 4:場内にある謁見の間。しかし、女王の玉座があるだけで誰も居ない。 5:城内の厨房。シンクの上には作りかけのタルトがある。 6:城内にある裁判所。血生臭い。 --------------------------------------------------- マスターシーン このシナリオにはマスターシーンが5つ用意してある。 ※マスターシーン名→発生条件で記載する。 T【楽しめない旅路】→PC1の真実公開後 U【終わりの無い旅路】→PC1の真実がリミットまでに公開されなかった場合 V【女王の処刑】→PC3の真実がリミットまでに公開されなかった場合 W【戻れない世界】→Vの直後 X【白い黒幕】→PC2の真実公開後 【楽しめない旅路】 PC1の真実が公開されたサイクル終了時、以下の文を読み上げる。 「とりあえず、先に進もう!」 元気な舞の声が森に響く。足取り軽やかにどんどん森の奥に進んでいく彼女をPC達は追いかける。覚悟を決めて行くしかない。迷った時はその時に考えよう。 PC達は危険が潜む深い森に分け入っていく。これは「危険な旅」だ。基本ルールブックp244を参照し、処理を行うこと。試練表は以下の表を使用すること。 深い森試練表 1d6 --------------------------------------------------- 1:突如、上空から降り注ぐ大量の塩水に溺れてしまう。武勇もしくは技術で判定すること。失敗で1d6のダメージを受ける。 2:場を和ませようと仲間にジョークを言うが、あまり良くなかった。黒以外の領域の好きなインガを2つ取り除き、黒の領域のインガを1つ増やす。 3:何故か使用人に間違われる。日常で判定すること。失敗で主人が使用人ではないと気付き、石を投げられ追い出される。3点のダメージを受ける。 4:チェシャ猫に出会う。チェシャ猫と会話していくうちに、自身の目的を忘れかける。堕落の変調を受ける。 5:帽子屋のお茶会に誘われる。頭脳で判定すること。失敗で帽子屋の意味も無いなぞなぞに腹を立てる。憤怒の変調を受ける。 6:道に迷い、皆とはぐれる。2点ダメージを受け、もう一度試練表を振る。 --------------------------------------------------- 危険な旅が終了するとPC達は女王の城に着く。このときに女王の予言が公開される。 以降はルールに従ってセッションを進行させること。 【終わりの無い旅路】 PC1の真実がリミットまでに公開されなかった場合発生するマスターシーン。 PC達はもくもくと森の中を歩き続けている。 GMは以下の文を読み上げる。 君達は闇雲に歩き続けている。目的地もなく、ただただ森の中を行く。景色は一向に変わらない。 ふと、何かが割れる音がした。妙に嫌な感じが強くなる。気になって地面に目を向けて みると、まるでガラスのように亀裂が入っていた。 もしかして……。君達は後ろを振り向く。視界の先には崩れ行く世界。ぱらぱらと景色が壊れ、闇が迫ってくる。 しかし、舞の姿は何処にも見当たらなかった。 →強制終了エンドT ※強制終了の処理を行う。(基本ルルブp256) 【女王の処刑】 PC3の真実がリミットまでに公開されなかった場合発生するマスターシーン。 裁判を告げる鐘が周囲に響く。PC達は舞と一緒に何とか裁判所へ急ぐが、もう手遅れだった。 GMは以下の文を読み上げる。 君達は急いで裁判所に向かったが、時は遅かった。女王は既に裁判を行っていた。 「お前も、お前も皆処刑だ!!」 女王は怒り狂い、気に入らない者を処刑していく。これは裁判などではない、ただの虐殺だ。 瞳に映る血の海と化した場所は見てるだけで吐き気がこみ上げてくる。耳をふさいでも 聞こえてくる狂った万歳三唱。 「女王様、万歳!!」 一人のトランプ王が、ちらりとこちらを見る。そして 「話を聞いてください、女王様!! 女王様のタルトを盗んだのはこの娘です!」 舞を指差し、大声で嘘の主張をした。それを聞いた女王はピクリと身体を震わした。 【戻れない世界】 【女王の処刑】後に発生するマスターシーン。 舞が完全に絶界に囚われてしまい、魔界が完成してしまう。 GMは以下の文を読み上げる。 「お前が犯人かっ!!」 女王は怒りの矛先を舞に向けた。トランプ王はでっち上げの証言を女王に伝える。紛れも無い嘘、濡れ衣だった。 「この娘がタルトを隠してるのを私は見ました! この目で、はっきりと!!」 そんなはず無い。舞は先程までずっと君達と一緒に居たのだから。けれど君達の思いをよそに、トランプ兵たちは動き出す。いっせいに舞へと迫る。さすがに耐え難いのか、舞は力強く叫ぶ。怒りで熱のこもった声で。 「何言ってるの?! 私がタルトを盗んだ? ばっかじゃないの、トランプの癖に!!」 すると、舞に向かってきたトランプ兵は一瞬でただのトランプへ変わる。勢い良く風でトランプは舞い上がり、舞を包み込む。 風がやみ、トランプがすべて地面に散った時、その場に舞の姿は無かった。 直後、耳をつんざくような笑い声が頭の中に響き渡る。目の前は既に闇に包まれていた。 →強制終了エンドU ※強制終了の処理を行う。(基本ルルブp256) 【白い黒幕】 PC2の真実が公開された場合発生するマスターシーン。 裁判を告げる鐘が周囲に響く前にPC達は舞と一緒に女王の下に急ぎ、なんとか悲劇に間に合う。 GMは以下の文を読み上げる。 舞をつれて、急ぎ女王の下へ走る君達。全力疾走した勢いのまま扉に体当たりし、謁見の間に飛び込む。扉の先には女王と元凶である白いうさぎが話をしていた。 「何だ貴様らはっ! 女王様の前で何をする気だ!!」 「その子は女王なんかじゃない! 私の親友のしえりよ!!」 白いうさぎに対して力強く答えを返す舞。 「ま、い…………?」 女王の瞳が揺らぎ始める。徐々に瞳孔は色彩を帯びていく。 「そう、私は舞! 貴女は私の親友のしえり!」 「わた、し……は……」 急に糸が切れたようにその場に倒れる女王。 「あぁ、なんてことだ」 白いうさぎは頭を抱えた。しばらくして、奇妙な笑い声を上げた。 「ククク……まぁいいだろう。この場で邪魔な神子共を殺してしまえばいいだけの話だからな!!」 不気味な笑顔を浮かべた白いうさぎは次第に身体が膨れ上がる。頭から太く大きな角が 生え、身の丈が巨大化していく。神子よりもはるかに大きく変貌していく。 「さあ、かかって来い」 白いうさぎに化けていた怪物はにたりと笑った。 (以降、決戦フェイズに移行する) 決戦フェイズ 決戦フェイズの敵はミノタウロス(基本p282)。本体のカードを遭遇シートに置き、脅威は以下のものを使用する。 ------------------------- パラグラフ1:鋼の斧 パラグラフ2:再生 パラグラフ3:ハーピー パラグラフ4:突進 パラグラフ5:生贄 ------------------------- まず、奮起(基本p256)の処理を行う。次に基本ルールブックp246を参照にして戦闘を行う。 戦闘がPCの勝利で終了した場合、戦果表(基本p254)を使用する。 (以降、終了フェイズに移行する) 終了フェイズ エピローグ【不思議な世界から現実へ】 耳が痛くなるほどの悲鳴。ずしんと大きな音を立てて、目の前の怪物は倒れて動かなく なった。そのとき、周囲に響くガラスの音。視野に広がる亀裂の数々は景色と共に砕け散った。 刹那、君達の足場は消える。何も抵抗できず、何も理解できないまま暗闇へと高速落下していく。もう駄目だ、そう思ったとき。 目が覚めた。 眼下にあるのは天まで届きそうなくらい高い本棚。右も左も同じ物が並んでおり、まるで敷き詰められているかに思える。近くにある木製の椅子は倒れており、どうやら椅子から転げ落ちてしまったようだ。周りを見ると、先程行動を共にしていた仲間も同じようになっていた。 「だ、大丈夫なの?!」 「どうしたの?」 大きな音に気付いて駆け寄ってきた二人の少女。心配そうに見つめてくる少女らを良く見ると、あの絶界にいたアリスと女王だった。 よかった、彼女らを無事救えたようだ。 →シナリオクリア※経験値処理など行う - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - あとがき こんにちは、からこです。 この度は自分が製作したシナリオを読んでいただきありがとうございます。初めてシナリオ製作に挑戦しました。不十分な所もございますが、満足していただけたら心から嬉しいです。 このシナリオのテーマは、著者ルイス・キャロル様による物語『不思議な国のアリス』でございます。 一見するとピンと来ないかも知れませんが、随所には『不思議な国のアリス』で登場した場面などを散りばめてみました。少しでもPLがアリスの世界で戦っているなと感じていただけたら幸いです。 それから、自分は毎回文章を書く際にテーマソングを決めています(笑) 自分はテーマソングを決めてから文章を書くと、世界観がブレなくなるのです! 変ですね(笑) 今回のシナリオのテーマソングにさせていただいたのは、ゲーム『SHOW BY ROCK!!』使用曲、雫シークレットマインド様で『Alice』です。 もしよろしかったら、シナリオと合わせて聴いてみてください! うさぎ狂信者狂祖:からこ |