FW・B


されぬ

2010/06/24 15:47


長次←ポエマー食満


彼は伏した枯草のような、臥したおそろしいいみどものような、不思議な目をした人間だった。

たてがみを揺らす獅子を治める彼は美しく、彼の同胞であるという些末なことが己の幸せだ。
遠くから眺めるだけでいい、なんて綺麗ごとは同室に笑われた。乙女じゃあるまいし、とのことである。確かに俺は彼の愛す蝶よ花よとの小鳥ではないのだ。よくて泥沼であがく鶩だろうか。
亜麻色の髪を、漆の眼を、武骨な四肢を手に入れたがるだなんて彼に知れてはならないのだ。


「ちょーじ」

すき、すき、だいすき。
言わない
言えないだなんて
 
 
END


突発性ちょけま



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