FW・B


許可してください、この恋着

2010/06/18 01:48





漠然と恋したのは僕で、必然と愛したのは僕でした。

「すき」
「ありがとう、私も嬉しいよ」

「すき」
「ありがとう、私も嬉しいよ」

「すき」
「ありがとう」

「すき」
「そっか」

「すき、あいしてます」
「冗談はほどほどにしないかい」
段々と低くなった僕の告白は彼に届いているかどうかは不安だった。だって同じお返事から変化する拒絶は、同じ音だったものだもの。
灰色の寝子持ちの彼のことだ。今更幼すぎる稚児など欲していなかったのかもしらない。


けれど今の僕は身の丈も大きくなり、忍務で女装して行った娼館でも一番じゃないけれど、すぐに太夫にだってなれるんじゃぁないかって言われたりもしてるんですよ?
貴方は見目麗しい方が好きかと思ったから、髪の手入れも怠らずに年月を重ねたんです。

「だから」
「だから」


許可してください、この恋着
 
拒絶なんて許さない、逃避なんて



「昆奈門さん愛してる」
「いい迷惑だといつ理解してくれるのかな」



笑い声が宵に響いた



END



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