「チカ」

お庭の掃除をしていると、清邦様が私を呼び止めました。

「はい、なんでしょうか清邦様」
「チカがいつもベニーの世話をしてやってるのかい」

清邦様のお優しい声。私はこの声を聞くとほっとしてしまいます。

ベニーというのは、生前旦那様が大変可愛がられておられた、このお屋敷で飼われている大型犬の名前です。
ボルドー・マスティフという犬種で、かつては狩猟犬として使用されていたそうです。十分な訓練を施しており番犬としてとても有能なのだと聞いています。

「はい。ベニーは私によく懐いてとっても可愛いんですよ」
「いつも飯を出してくれる相手だもんな。そりゃあご機嫌取りもするさ」
「あはは、そうですね」

清邦様が旦那様になってからは、ふとこうして私に声をかけてきてくださるようになりました。

清邦様がこんな風に世間話を私にふってくださると、私もお屋敷の一員としてきちんとお役に立てているのだと安心することができます。
私は清邦様に嫌われているはずなので、いつ解雇を言い渡されてもおかしくないからです。

「でもここ最近のベニー、少し落ち着きがないよな。それにうるさいし」
「ああ……」

私はその理由を知っています。

「発情期の雌犬の匂いに当てられてしまっているのかもしれません。最近、このお庭に度々どこかの犬が入り込んできているようなのです。見かけ次第、私や他の使用人たちが追い払っているのですが……」
「発情期のメス犬ねぇ」
「はい。ベニーには相手がいないので、それがストレスになっていなければ良いのですが……」
「相手、いるじゃん」

ふと、清邦様はふっと蔑笑を私に向けました。

「ここにさ……年中発情して、親父のチンポしゃぶって、日毎夜毎尻穴奉仕してサカリまくってたはしたないメス犬が」
「え……?」
「なぁ、親父が死んで寂しいだろ。親父が死んでからお前のケツ慰めてくれるオスがいないんだから。毎晩毎晩、体が疼いて疼いて仕方ないんだろ」
「そ、そんなこと──」
「おい誰か! ベニーを連れてこい!! あと、例のモノも!!」

清邦様は楽しそうに笑って、大声で指示を出しました。すると直ぐ様、お屋敷で働くメイド二人がこの場へとやってきます。
一人はベニーのリードを引き、もう一人は瓶に入った黄色い液体を持っていました。

なぜ清邦様がここにベニーを呼んだのか、理解が追いつきません。

「おい、チカ。服を脱げ」
「え?」
「聞こえなかったのか、脱げって言ったんだ。俺の命令に逆らうのか。逆らえる立場なのかよ、てめぇは」
「も、申し訳ございません……! た、ただいま……」
「おら、早くしろ」

清邦様は一度私の腹に蹴りを入れると、蹲る私になど興味をなくしたように視線を外してしまいました。
私がおずおずと服を脱いでいる最中、清邦様はメイド二人に優しく礼を言い、瓶とリードを受け取ってこの場を下がらせます。

清邦様はとてもお優しい方です。メイドたちからの評判も良く、みな口を揃えて『清邦様は素敵な旦那様』だと言います。
ですが、私にはそんなお優しい言葉をかけてくださったことなど一度もありません。メイドが羨ましく、時にひどく妬ましくも感じます。

「チカ、全部脱いだら仰向けになって足開けよ」
「き、清邦様……!?」
「はっ、どうせここは屋敷の庭だ、誰も見やしねぇよ。ま、メイドが通りすがることはあるかもしれねぇけどな」
「い、いや……いやです……」
「だからよぉ」

清邦様は焦れたように私の髪を掴み上げると、思いっきり地面に体を叩きつけて。

「テメェが! 俺に! 意見できる立場なのかって言ってんだろうがよ!?」
「あぅっ……申し訳ございません申し訳ございません……!!」
「俺の気が短いってことはテメェがよく知ってるだろ。分かってんなら早くしろ」
「はい……」

私は地面に仰向けになって膝裏に手を回し、大きく足を開きました。すると清邦様はクスッと笑って。

「テメェがベニーの相手をしろ」
「な、ぁ……ぁ……!?」

私は耳を疑いました。清邦様は今なんと言ったのか……。

「ベニーにストレスが溜まってねぇか心配なんだろ? だったら世話役らしく、どんなことをしてでもベニーに尽くしてやれよ」
「清邦様ッ……お、お許しください! 清邦様のお相手なら私はいくらでも、いくらでも喜んで引き受けさせていただきます!! ですが、ですが……!!」
「はぁ? 家畜の分際で人間様の──それもこの俺のチンポが貰えるとでも思ってんのか? ふざけんなよ、俺は家畜に突っ込む獣姦趣味なんかねぇよ。それにあのホモ親父が使い古したてめぇの汚ねぇケツ穴なんかにブチ込んだら俺のが壊死する」
「ひ、ぃ……! やめ……やめて……!」

清邦様は瓶の蓋を開けると、中の黄色い液体を私の体に振りかけました。
ツンとする臭いがします。ですが、この臭いはどこか既知感のある──。

「俺のチンポはなぁ、いずれ美人な嫁をもらってこの屋敷の優秀な跡取りを作り出すためだけにあるんだよ。そんな神聖なものをお前みたいなメス犬ごときが貰えるだなんて、思い上がるのもいい加減にしろよ」
「はいぃっ! 申し訳ありません、申し訳ありませんでしたぁ……!!」

私の体に瓶の中の液体すべてがかけられました。するとどういうわけか、ベニーの吐息が荒々しくなってゆきます。
私はパズルのピースが上手くはまるように、すべてを理解しました。この黄色い液体は……!

「その例のメス犬の小便を今朝採取させた」
「──!!」
「今のチカの姿、ベニーにはさぞや色っぽく見えてるんだろうなぁ」

これから行われることを思うと私は恐怖でガチガチに固まってしまい、足を閉じるということを忘れてしまいました。
それが清邦様にはとても可笑しかったらしく、嘲るような高笑いを上げます。

「あっははは、よかったなぁベニー!! このメス犬はお前のが欲しくて欲しくてたまらねぇんだとよぉ!! おら、好きなだけブチ犯しな!!」

清邦様はベニーのリードを外すと、ベニーは脇目もふらずに力いっぱい私の体にのしかかり──。

「あ! あぁ! あがっ……ひぎぃぃいいいいいい……!!」

ベニーのペニスがみちみちと私の尻の中へと入りこんできます。ベニーにはきっと私が本当のメス犬に見えているのかもしれません。

「犬のピストンは本当に早いな。はは、どうだよチカ。チカはまだ若くてガバガバでド淫乱だから、老いたジジイのチンポよりベニーのチンポのほうが満足できるんじゃないか?」
「あひっ、ぃっ、いぁっ、あがッ、ア……!!」
「おら、ベニーはてめぇがこの屋敷に来た時よりも長くここにいたんだよ。だから先輩犬を敬うのは当然だよな?」
「あ、ひぎっ、いいぃぃ……!!」

ベニーの凄まじい腰使いが私の尻穴を蹂躙します。その貪るような動きに、私の肉欲も煽り立てられてしまいました。
私は元男娼だったこともあり、尻穴に男を受け入れることに慣れているため、苦痛よりも快楽を見つけ出すことのほうが得意なのです。

ベニーのペニスから噴出される、まるで水のような精液がだらだらと私の中に注がれ続けています。そのおかげか、私の尻は慣らさずとも容易くベニーを最奥まで受け入れることができました。

「あっ、ぁっ、あふっ、んんぅ……!」
「チカ、声が甘くなってるよ。でもチカは本来もっと可愛い声が出せるよな。親父に抱かれてる時、凄くエロい声出してた」
「あ、あ……き、清邦様ぁ……! あぅっ、んやぅっ、あ、あぁっ、あぁんっ……!」
「そうそう、そのクソ淫乱な体と猫撫で声で俺の親父をたらし込んで、母さんを苦しめて……そうやって俺から家族を奪っていったんだよなぁ、チカは」
「あぁんっ、んやっ、んっ、やぅんっ、はぁっ、あぁっ……!!」

そう語りかける清邦様の声は、とても優しいものでした。
しかし内容は私の頭に入ってきません。なぜなら私はベニーのペニスで快楽を感じることに必死になっていたからです。

「ああ……チカのケツマンコがベニーの水っぽい精液でグチョグチョになってる」
「はぁっ、あぁん、んっ、んぐ、くぅんっ……!」
「なに犬みたいに鳴いてんの……って、ああチカは犬だったか」

清邦様は犬のペニスで淫れる私の髪を甘やかしく撫でつけました。すると私は自分が本当に犬になってしまったみたいで……とてつもなく興奮しました。

ベニーも私と同様にえらく興奮しているのか、だらだらと涎を垂らして私の体をテカテカに濡らします。普段ならば嫌悪感を抱いていたところでしょうが、今の私にとってはそれすらも極上の興奮材料でした。

やはり私はもう、心も体も犬になってしまったのです。こんなにも犬にめちゃくちゃにされている自分を見て、股間がいきり立つのを感じます。



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