バイマイサイ | ナノ


隣に





お前



「    」









そのメールはあまりに短すぎて
大事なところがたくさん
抜け落ちていた。


目の前にいるはずの
しずちゃんからメールがきた。



「ねえ、なんなのこれ」



しずちゃんはだまって
コーヒー牛乳にくちをつけている。



「ねえ、しずちゃん」



俺はポケットにいれておいた
いちごあめのかけらを
ひとつ口にいれて
文字盤に指をすべらせる。

しずちゃんの言いたげな目が
俺はすっごい大嫌い。

合わせない理由がほしくて
目を画面にむけた

ねえ




わかってるから
言わないで





「僕ね、」

「臨也」


ああ、だめだ






「やっぱ、わかれよ」




聞きたくないって
言ってるのに



「そっか、」





俺は携帯をぱちんと閉じて
立ち上がって
しずちゃんに小さくキスをした。


「しずちゃん、あげる」


俺は両方の手にしてる指輪の片方を
しずちゃんになげた。







「ばいばい、しずちゃん」



俺はしずちゃんが
見えなくなる十分な距離を
歩いてから送信ボタンをおした。







ねえ、俺をひとりにしないで


ずっとそばにいて





バイマイサイ

101221

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ステキ企画ハロー、弱虫。様
参加させていただきました

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