○デ.ュ.ラ・ろぐ15(門×帝) | ナノ
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●妄想は自由なのですスピリット門田×帝人2010.06.01
「お、」「あれっ?」
珍しく一人の時で、珍しく相手も一人だった。
「珍しいな・・・・今帰りか?」
「ああ、…ええ、ハイ・・・・その、」
門田さん、も―――と戸惑いがちに呟く顔に、こちらも戸惑いを禁じえない。
そもそも、池袋(というか東京)に出てきたばかりだという少年と、顔を合わせる機会などそう多くはなかったし、少ないそれのいずれにしろも、門田の脇には遊馬崎や狩沢や渡草がいるのが常で、少年にもまた、必ずと言っていいほど髪を金に染めた(こちらも同じく)少年の姿が横にあった。
「いや、俺はこれから仕事でな」
と言ってやれば、「今からですか!?」と目を丸くする。
その様子に、そうだな、なんと言うか…(決して悪い意味ではなくて、)ずい分とのんびりした子供なのだな、とそう思えて、「…ああ、」
「まあな・・・っと、時間だ」
なんとなく、あの金髪の少年の執心の理由はこれなのかもな、と理解したような気持ちになる。
「ああっ!すっ…すみませんっ!」
慌てて頭を下げる少年の肩を、気にするな、と叩いてやれば、少年は面を上げて、安心したようにホッと顔を綻ばせる。「…あの、」
「お仕事、がんばってくださいね」
―――そう、
はんなり微笑って見送る顔に、(…ああ、)
(そうだな・・・・今度、ゆっくり話をしてみるのも いいかもな…)
だなんて考えながら、「ああ、」と門田は手を振った。