log *日記メモに載せた小ネタSSをたらたら***
●とある絶望のおはなし4(人外帝人と年下シズちゃん)2012.10.08(初出:2011.11.13)
「ごめんね?」
帝人が子供に触れた瞬間、子供はピシリ、と固まった。
(あー……何か恐がられてたっぽいし、もしかしてこの子、あんまり誰かから触られるのに慣れてないのかも……。…何か、ホント…)
可愛いよね、と微笑ましい気分になって、帝人は暴れてぼさぼさになった子供の髪を、なでこなでこと撫で付けてやりながら、「……うん、」
「君は化け物じゃないよね。君は普通の人間だ」
「…ちげぇ」
そう俯き加減で瞳に影を宿らせる子供の、今直してやったばかりの髪を、わしわしわし、とまたぐしゃぐしゃにしてやった。
「どうして? だって、君、全然化け物じゃないじゃない」
「ちげぇ。……だって俺……」
ぼそぼそと、口の中で反論してくる子供の髪を、ちょいちょい、と帝人はつまんでやる。
見た目通りに短くて、見た目よりもずっとさらさらとして手触りのいい子供の髪は、あっという間に帝人の手からすり抜けた。「…違う、」
「君は少しも化け物なんかじゃない。君はただの人間だ。
……化け物っていうのね…? 化け物っていうのは、さ―――……」