log *日記メモに載せた小ネタSSをたらたら***
●とある絶望のおはなし3(人外帝人と年下シズちゃん)2012.10.08(初出:2011.11.09)
「ねえ…君、化け物なの……?」
その問いを発した瞬間、子供はひどく傷ついた顔をした。
(ああ……うん、まあさ…やっぱり……)
そうだよねえ、と思いながら、帝人はどうしても漏れ出そうになるため息を、意識しながら飲み込んだ。
まあはじめからわかってはいたことだ。この子供はただの子供で、どこからどう見ても丸っきりただの人間だ。(帝人的には正直なところ)つまらないほど人間以外の何でもなくて、
(まあ確かに、ちょっとだけ他の人達よりは力持ちっぽいけど……)
でもただこの子はそれだけだ。
本当にただのそれだけの、人間でしかありえない。
(つまんないよね……。
あー……うん、いや…でもきっと……)
それは幸いなのだろう。
だから帝人は子供の前にしゃがみ込んでから、子供と目線を合わせると、こてん、と小首を傾げつつ、子供にニッコリ微笑いかけた。
「ごめんね?」
「……別に。…本当の事だし」
ひととおり暴れて落ち着いたのか、それとも毒気を抜かれたものか、(まあ単なる電池切れかもしれないけれども)先ほどはずい分と沸点の低い子供のように思われたのだが、これはまたずい分と素直なものだ。
(ああ……うん、ホント…可愛い子だよ……)
本当に、どうしてこれが化け物なのだと言うのだろう。
帝人はもう一度子供に向かって
「…ごめんね?」
と微笑むと、この年頃の子供らしく細い首で支えられた、子供の身長からしたら多分にアンバランスな大きさの子供の頭に、ぽん、と手のひらを乗っけると、なでこなでこ、と子供の頭を撫でてやった。