log *日記メモに載せた小ネタSSをたらたら***
●とある絶望のおはなし2(人外帝人と年下シズちゃん)2012.10.08(初出:2011.11.07)
道端に小さく踞る子供を、帝人は上から覗き込んだ。
まじまじと、見れば見るほどそれは単なる子供でしかなく、帝人は少しガッカリした。
(でも…ま、こんなもんだよね……)
思わず漏れそうになるため息に、いやしかしそれは子供に失礼か、と帝人が飲みこむと、どうも気配を感じたものか、それとも帝人の視線に気づいたものか、帝人はふい、と上を向いた子供に、警戒心いっぱいの、ギロリ、とした目を向けられた。
「……んだよ、アンタ」
…まあ(不本意だけれど)ちょっと見今の帝人は不審者だったのかも知れない。
帝人は少し考えてから、子供にこんにちは、と挨拶をした。
「あ゛……? あ、……えっと、」
こんちは、と拍子抜けしたのか鳩が豆鉄砲を喰らった顔で、それでもぼそぼそと返してくれる子供に、帝人は微笑ましい気分になる。
(ああ……ホント、普通の子だなあ……)
この子の一体どの辺が、化け物なのだというのろうか。
だから帝人は、子供に訊いてみることにした。
「ねえ……君、化け物なの?」