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●本当はこんな感じになるはずだった未亡人と小箱と相棒と。(虎女体化:バニー×タイガー:24話ネタあり)
2012.01.10(初出:2011.09.14)


自分でも意外だったんですけど、と相棒から差し出された小箱に、虎徹はじっと目を落とした。
この手の物に(当事者として)お目にかかるのは、虎徹の人生で二度目である。

「……何つーかさあ、お前って……」

案外型にはまるタイプだよなあ、と呆れを多分に含ませた声でちょっと目を見張った虎徹に、相棒はシレッと澄まし顔だ。

「何とでも言って下さい。……まあ、自分でも驚いてるのは、事実と言えば事実ですけど」
「だよなあ……。お前、ぜーんぜんそんな感じじゃなかったもんなあ……」

それに肩を竦ませて、しみじみとした息を吐く虎徹のぼやきを、相棒はサクッと黙殺した。「……それよりも虎徹さん、」

「いつまでもぐずぐずしてないで、さっさと受け取って下さいよ」
「ってか、スルーかよ!?」
「…何言ってるんですか。あなたのくだらない愚痴なんか、聞いても聞かなくても結局同じじゃないですか。
……それよりも、」

早く受け取って下さい、と相棒に、相棒の手の内にあるそれを、ずずい、とこちらに押しつけられる。
いつもの如くに対虎徹へのスルースキルを素晴らしく発揮してくれる相棒に、何となく疲れた気分になって、虎徹はガックリと肩を落とした。「……お前さあ……」

「もしかしたら俺が断るかもしんないとか、ちょっとは考えたりしないわけ?」
「……それこそ、」

何を言ってるんですか、と相棒はピクリと眉尻を跳ねさせた。「……あの時、」

「あの事件で、あなたが死んでしまったんだと思ったあの時に……僕は思い知ったんです。……あなただけは失えない、あなたにずっと傍にいて欲しいんだって。
僕はね虎徹さん、あなたが僕にとってどんな存在なのかって、あの時いやと言うほど思い知らされたんですよ。
……だから、もうあんな思いは、金輪際御免です」

相棒の突然の告白を、どこか呆然と虎徹は聞いた。
確かに相棒と虎徹は単なるコンビというだけではない、深い関係を結んで(しまって)はいたけれど、この関係に対して、互いに今まで、そんなに突っ込んだ話を交わしたことはなかったからだ。
だがそれでいい、と虎徹は思っていたし、相棒もまたそうであるのを、虎徹は知っていた。
むしろ互いの関係に突っ込むことは、この関係を続けることに……相棒とコンビでいながら、この関係を続けることに、互いに都合が悪かったのだ。
しかしあの出来事は、決してそれだけでは済まないことを、きっと互いに突きつけた。

「だけど、虎徹さん。それはあなたも……」

同じでしょう、と笑う相棒の声はサバサバとしていたけれど、含まれた想いは真剣だった。「……だから、虎徹さん……あなた、」

「早く、僕の物になって下さい」




*本当はこんな感じになるはずでした。

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