アクセス制限 ○青年と少年と。(未亡人〜設定での兎×虎前提バニーと男体化ブルーローズ) | ナノ

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●青年と少年と。(未亡人〜設定での兎×虎前提バニーと男体化ブルーローズ)
初出:2011.07.10


※14話後。カリーナさんは男体化なので≒カリー君です。






「やめておいた方がいいですよ」

唐突に、男は言った。
無事に楽屋泥棒も捕まえて(実際に捕まえたのはロックバイソンだったけれど)、カリーが自分の気持ちを再確認した(してしまった、かもしれない)後のことだった。
さっきまでの気持ちの名残りで、ひどく幸福な気分でいたカリーは、何だか水をさされた気分になって、「…はあ?」

「アンタ、一体なに…「…やめておいた方がいいです。
…あなたも、なんでしょう?」

そう真面目くさった顔で自分を見下ろす男に、カリーはぴく、っと眉尻を上げた。バーナビーが何のことを――あるいは、誰のことを――言っているのかなんて、もちろんカリーには明白だったけれど、でもそれを……そんなことを、この男に言われる覚えなんか、カリーにはない。……そう、例え、カリーが今のところこの男に――彼らがコンビという意味でも、それ以外でも、だ(まあハッキリとしたところはカリーにはわからないのだけれど、彼らが単に『コンビ』というだけの関係でないのは、カリーにだってわかっている)――大きく水をあけられていようとも、だ!「…はあ!?」

「アンタ、だから何言ってん「だから、やめた方がいいです」

だから苛立ちのままに声を跳ね上げたカリーの声を、またしても男は遮った。

「あの人は……とても、とても酷いひとですから……」

しかもつい先ほど「優しい」と評したその口で、今度は真逆のことを言う。
だから白を切り通すのも(つい)忘れて、カリーは呆れた声を上げた。

「はああ!? 何言ってんの? アンタさっき、タイガーのこと『優しい』って言ったばっかじゃん!」
「………ええ。あの人は優しい。本当に優しい人なんだって、僕もそう思ってます。
…でも、だからこそ……」

あのひとは本当に酷い人なんですよ、とカリーからふい、と目を逸らして、どこか遠くを――カリーではないものを――見て言う男が、本当のところ一体何を問題にしているのかは、正直なところカリーにはよくわからなかった。

(だけど……)

ひとつだけ、ハッキリしていることがある、とカリーの上にはない男の眼差しの行方を見据えるように睨みつけてやりながら、カリーは思った。
それは―――、

(コイツッ、は―――……ッ!)

バーナビーはカリーの敵だ、と言うことだ。





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