アクセス制限 ○デ.ュ.ラ・ろぐ22(池袋の自動喧嘩人形は年上好き(上)(静×帝にょた*パラレルpre) | ナノ

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●池袋の自動喧嘩人形は年上好き(上)(静×帝にょた*パラレルpre)
2011.02.04


「っていう噂が流れてるんですけど」

と目の前の少女に言われた瞬間、静雄の視界はぐらりと揺れた。
次いで脳裏が真っ赤に染まる。無論あの――この少女にロクでもない与太話を吹き込んでくれたのであろう(…いや確実に、間違いなく)――ノミ蟲への、怒りと殺意とでだ。
しかしとるものもとりあえず「悪ぃな帝人、用事ができた。ちょっとあのウジ蟲殺してくるわ」と踵を返そうとした静雄を、つん、という少女の静雄のシャツの袖を引っ張る感触が、止めた。



「…ああ゛?」

確かにこの少女は静雄にとって他とは比べものにならないほどの別格なのだが、しかし静雄の沸点の低さは折り紙つきで(自覚はある)、

「何しやが「…待ってください。臨也さんのことなんてどうでもいいです。…けど静雄さん、」

そうなんですか、と凄んだ静雄に一歩も引かない姿勢で真顔で静かに問いかけてくる少女に、静雄はつい毒気を抜かれた。




「そうなんですか? 静雄さんって年上のひとが好きなんですか?」

これが妬いてでもいてくれているのならば静雄としても嬉しいのだが、あいにくと静雄と少女とは(まだ)そんな関係ではなく、肝心の少女にしても、どうも、そんな様子ではない。あくまでも彼女は真顔である。

(何つーか、興味本位って感じでもねえし…本当にただ「訊いて」るだけっつーか…)

己の事情を鑑みても(まあ有り体に言って少女への下ゴコ…いや静雄の少女への純情だ)別に答える義理はなかったが(特に少女のこの様子ならば)、だがこの少女には、できるだけ誠実でありたいともまた、静雄はそうも思っている。
しかしどう話せばいいのだろう、と思いながら、静雄は重い口を開けた。「…あ゛ー…」

「つか別に…大した話じゃねえぞ…?」




*人外帝人(にょた)と年下シズちゃんのプレビュー話。

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