○バ.サ.ラろぐ・14(秋寒・逆年の差だてさな:小六×高一で薄っすら転生物) | ナノ
log *NEWに載せた小ネタSSをたらたら***
●秋寒(逆年齢差だてさな:小六×高一で薄っすら転生物)2010.09.28
庭先で、阿呆みたいに跳ね回っている男をちろり、と横目で盗み見た。
と、同時にそんな政 宗に気づいたように、
「政 宗 殿! 政 宗 殿もこちらにいらっしゃいませぬか」
「ヤだね」
庭先の阿呆から声がかかるが、政 宗は一言の元にキッパリハッキリ阿呆を切って捨ててやる。
冗談ではない。誰がこんな日に好き好んで表に出ようなどと思うものか。そんなものはこの目の前の阿呆だけである。―――そう思うのに、
「ですが、それだけ着込んでいらっしゃれば平気でしょうに。…それに、」
「うおっ!?」
「ほれ、このように…」
動いていた方が暖まりますぞ、と政 宗は、のこのこ政 宗の前までやってきた阿呆に脇から腕を入れられて、身体ごとぐいっと持ち上げられる。
「shit! 離しやがれってんだよ幸 村!」
「ほれほれ、ちゃんとお立ちになってくだされ」
上げた抗議の声はあっさり笑顔で流されて、(…クソッ、)
(ちょっとばかし俺よりデカイと思いやがって・・・・!)
こういう時は、四つの年の差を心底呪うが、だがしかしそれは言っても始まらない。
下らないプライドなのかもしれないけれど、政 宗がこの阿呆を自分の物としてやるのは、かつてのように、政 宗がこの阿呆を見下ろせるようになってからだと政 宗は密かに決めていて、だがそれには未だ程遠く、(…けどよ、)
このままこの阿呆を調子づかせているのも業腹なので―――政 宗は、「…幸 村、」
「はい? なんでござろうか、ま さ む―――んむ゛む゛う゛ッ!?」
目の前にあった、五月蝿い唇を己のそれで塞いでやってから(幸 村が政 宗を持ち上げるからだ。馬鹿め)、まつ毛とまつ毛が触れ合うほどの位置にある、苦しげに赤らんだ顔から、チュプ、っと(わざと音を立てて)唇を放してやって、
「んだよ…色気がねえなあ、幸 村?」
「まっ、まっ、まっ…政 宗ッ…どのーーーーーっ!!」
未だ政 宗の目の前にある、この阿呆の地元の特産品のりんごのように、ようく頬を染め上げた―――阿呆の唇を、ペロリとひと舐めしてやった。