log *日記メモに載せた小ネタSSをたらたら***
●汎用人型決戦兵器YUKI-MURA2012.10.08(初出:2011.11.05)
この世に生を受けてから―――
世の大多数の大人と呼ばれる人々からしたらそうたいした年数は経ってはいなかったのかもしれないけれど、佐 助にしたら、もうこれ以上は十分だ、と思える年月が過ぎた頃。
生きるというのはつらいばかりで、本当を言うと、もうどちらでもいいなあ、と佐 助が思っていた頃に、彼とは出会った。
『おお、おぬしがさ す けか!?』
佐 助を見上げる、顔から零れ落ちそうに大きな瞳が、返事を期待しているようで。
『……あんたは?』
『おれは、さ な だ げ ん じ ろ う ゆ き む らという! おぬしとおなじく、おやかたさまにごやっかいになっておるものだ!』
『ああ……そう、フーン…『きょうからは、よろしくよろむぞ! なっ、』
のろのろ返事を返した佐 助に、さ す け、とニッカリ笑った顔が、もうあんまり楽しそうなので、このちいさい人は、何がそんなに楽しいのだろう、と佐 助は思ったものだった。
…そうして、
『ああ……うん、ハイよろし…『よろしくなっ、さ す け!』
もうあんまりにも簡単に、彼が佐 助の手を取るものだから―――佐 助の手を取って、ぶんぶんぶんぶん振り回しながら、佐 助に微笑うものだから。佐 助は本当に驚いた。
佐 助に触れるなんて……佐 助に笑いかけるなんて、これは本当に人なのだろうか、とそうも思いもしたものだ。
―――だから、
その日から彼が佐 助の世界になったのは、無理からぬことだった、と佐 助は思う―――そうして、
『すまぬ……な、佐 助……お主を…』
遺して行く、と微笑った彼を奪り戻せる方法があるというのなら―――佐 助はそれを識っているし、たぶん、この世で、佐 助だけが、それを持つ。
ならば一体、何を躊躇うというのだろう、と思いながら、「……ねえ、」
「竜の旦那……? …あのさ、俺様……」
提案があるんだけど―――と佐 助は、竜に嗤う。
「………んだ、」
「うん、あのさ……」
これが間違いなどとは佐助は絶対に思わないし、よしんば間違いだったとしても、それが何だというのだろう―――それでも、(…けど、)
(あんたが知ったら……絶対に泣いて怒るんだろうな、真 田の旦那……。…でも、)
それでもこんな結末を、佐 助は許せはしないのだから、
(ゴメンね……? …でもさ、俺様……)
魂なんて最初から、ぜんぶ幸 村に捧げてるから、
「オーパーツってさ、知ってる……?」
*(佐 助にとってのゆっきーは)恋をするには絶対的すぎた感じで。